聖餐の位置づけ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/30 13:21 UTC 版)
時代や教派によってそのとらえ方に違いがあったとしても、キリスト教の中で聖餐は常に礼拝儀式の核となるものであった。伝統的なキリスト教において、聖餐の式は神が計画する人間の罪からの救いの成就となる式であり、イエスの死と復活を思い、そこにイエスの現存を信じるもの、さらには信仰者と神、信仰者同士の絆を確認するものであった。このような中心思想はほとんどの宗派に共通であるが、その程度やとらえ方によって違いが生じている。 例えばカトリック教会と正教会では、伝統的に聖体のサクラメントを7つある秘跡・機密の一つとし、「聖変化」という思想を尊重してきた。聖変化とはパンとワインがミサの中で実際にキリストの体と血に変わるという教義である。それに対して宗教改革期以降、プロテスタントの教会ではパンとワインが実際にキリストの体と血に変わることはなく、単なる象徴的な儀式にすぎないとみなすようになった。 1980年代以降、世界教会協議会 (World Council of Churches) が行われる中で、洗礼、聖餐、および教会における職階についての相互理解を深めようという動きが活発化し、カトリック教会をはじめとする多くの教派が参加している。
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