聖人等によるもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/20 22:20 UTC 版)
「聖母マリアの汚れなきみ心」の記事における「聖人等によるもの」の解説
マリアの御心への信心業は中世のカンタベリーのアンセルムスや クレルヴォーのベルナルドゥスなどのような聖人によって始められた。そしてこの信心業はメヒティルドや大聖ゲルトルード、そしてスウェーデンのビルギッタといった聖人たちによって実践され、そしてこれらの聖人により発展していった。このことの形跡は、「アヴェ・マリアの祈り」や 「元后あわれみの母への祈り」による敬虔な祈りの業の中に見ることができる。また、リチャード・デ・サンローランが、13世紀にルーアンの刑務所で書いた「聖なる乙女マリアへの賛美」(De laudibus B. Mariae Virginis)という非常に大きな著作にもそのことが表されている。なお、上記の「アヴェ・マリアの祈り」、「元后あわれみの母への祈り」は、通常、ルッカのアンセルムス(en:Anselm of Lucca)か、クレルヴォーのベルナルドゥスのどちらかによるものとされている。 話は少し前後するが、マリアの認める心への信心業に、「マリアの喜びと悲しみへの信心」がトマス・ベケット により加えられた。そしてヘルマン・ヨーゼフ(Hermann Joseph)もまた自分のマリアに対する信心業にこれを取り入れ、その後にスウェーデンのビルギッタによる「黙示録の本」にもこのことが書かれている。シエナのバーナディーノ(en:Bernardino of Siena)は「マリアの御心の博士」と呼ばれることがある。カトリック教会がマリアの御心の祝日に第2夜課の祈りの業としてマリアの喜びと悲しみへの信心を取り入れているが、これはシエナのバーナディーノが始めたものである。フランシスコ・サレジオは、このマリアの御心の完全さ、神への愛の手本をテオティムス(Theotimos)へ捧げた著作の中で書き表している。 これと同じ時期に、マリアの御心に対する信心業を実践することについて、ニコラス・デ・ソウセィ(Nicolas du Saussay 1488年没)の著作・「アンティドータリウム」(Antidotarium)、ローマ教皇ユリウス2世、そしてランスペルギウス(en:Lanspergius)の著作・「矢筒」(Pharetra)にその記述を見出すことができる。16世紀の後半期や17世紀の前半期に、禁欲的な著作家たちにより、この信心業についてより大幅で詳しい著作物が書かれた。
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