習合関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 17:18 UTC 版)
「ネイト (エジプト神話)」の記事における「習合関係」の解説
ネイトは、同じエジプトの女神ハトホルやイシスと同一視された。 また古代ベルベル人により北アフリカで信仰されていた女神タニトとも同一視された(最古の文献にある)。またタニトは、ディードーが建設したカルタゴを発祥とするフェニキア文化でも信仰された。 タニト(Ta-nit)は、エジプト語では「Nit (ネイト)の土地」を意味する。タニトも軍神で処女の地母神、豊穣神でもある。その象徴は、エジプトのアンクに酷似しており、南フェニキアのサレプタから発掘されたその神殿には、フェニキアの女神アスタルト(イシュタル)とタニトを明らかに結び付けている碑文が見つかっている。タニトは、習合(interpretatio graeca)によって幾つかのギリシア神話の女神とも同一視された。 ヘレニズム期にエジプトを約3世紀に渡って支配したプトレマイオス朝は、紀元前30年にローマに征服された。この間、小アジアからエジプトに移住した人々がアノウケという女神を信仰していた。この軍神は、曲線を描き羽をつけた冠を被っており、槍または、弓矢を持っていた。後にアノウケはネイトと同一視されるようになった。 古代ギリシアの歴史家ヘロドトス(紀元前484年-425年ごろ)、プラトンのソクラテス式問答法の著作『ティマイオス』では、ネイトとアテーナーを同一視している。おそらくどちらも軍神であり機織りの女神という共通点から考えられた見られる。 ウォーリス・バッジは、エジプトにおけるキリスト教普及においてキリストの母とイシスやネイトといった女神の類似性が影響したと主張している。単為生殖は、キリスト誕生のずっと以前からネイトの属性であったため経外典を通してネイトやイシスの他の属性がキリストの母に転嫁された。
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