缺と欠
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:27 UTC 版)
「缺乏」の「缺(ケツ)」は「欠」となったが、「欠」は「ケン」と読み、「あくび」の意味がある。なお「欠」の字にももともと「かける」の字義がある。「欠缺(ケンケツ)」という法律用語は2字目の「缺」を新字体にしてしまうと「欠欠」となってしまう。当用漢字では「ケン」の音読みは採用されなかったため、厳密に当用漢字に従うと交ぜ書きで「けん欠」となってしまう。このため法律用語では現在でも例外的に旧字体を使用して「欠缺」と書かれる。本文に新字体を採用している『広辞苑』、『大辞林』などの国語辞典でも、この語に限っては表記欄に「欠缺」の表記を採用している。2004年(平成16年)に可決、2005年(平成17年)に施行の民法現代語化を目的とした「民法の一部改正」によって「意思の欠缺」は「意思の不存在」と言い換えられたため条文から「欠缺」は消えた。ただ、新聞などのマスメディアにおいては戦後早くから「欠缺」の表記を使わず、「不存在」「存在しない」という表現に言い換えていた。
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