縄文土器の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 05:08 UTC 版)
縄文土器は多様な大きさと器種・装飾的な文様などさまざまなものが存在するため、土器の機能や使用される場面も異なったものであると考えられている。縄文土器の使用用途には食料資源の調理・加工や盛り付け、祭祀目的が考えられている。 縄文土器のうち深鉢などには煮沸痕を有するものがあることから、食料を煮る(煮沸)ため、あるいは貯蔵するために用いられたと考えられる。 縄文土器が出現した時代は、後期旧石器時代のナウマンゾウのような大型哺乳類が日本列島で絶滅した時期と重なるため、旧石器時代の狩猟により得られた獣肉を主食とするスタイルから、狩猟・漁労に加えて堅果など植物質食料を組み合わせた食習慣に変化した。また、堅果の多くは収穫時期が限られるために、貯蔵する必要が生じた。さらに、堅果を食用とするためには加熱・粉砕・煮込みなど加工過程が必要となったほか、獣肉や魚介類のように直火で炙るのは困難であるため、加熱するには調理器具としての土器が必要となった。 後期以降の縄文土器は粗製土器と精製土器が作り分けられており、これは「ハレ」の器と「ケ」の器を区別したとする説がある。 なお、縄文土器が煮沸具として器種の多様性を有するのに対し、弥生土器は画一化された甕が用いられている。
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