線型写像と双対空間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/12 08:16 UTC 版)
「ノルム線型空間」の記事における「線型写像と双対空間」の解説
詳細は「連続的双対」を参照 ノルム空間の間の写像で最も重要なのは、連続な線型写像である。すべてのノルム空間とそれらの間のすべての連続線型写像は圏を成す。 ノルムはそのベクトル空間上の連続函数であり、また有限次元線型空間の間の任意の線型写像は連続である。 二つのノルム空間の間の等距写像 (isometry) は、線型写像 f でノルムを保つものを言う(すなわち、|| f(v) || = || v || (∀v ∈ V))。等距写像は常に連続かつ単射である。ノルム空間 V と W の間の全射等距写像は等距同型写像と言い、V と W とは互いに等距同型であると言う。等距同型なノルム空間は実用上は同じものと考えられる。 ノルム空間について考えるとき、双対空間の概念に関する議論はそのノルムも勘案した意味で言う。すなわち、ノルム空間 V の双対空間 V′ は V から係数体(それは普通実数体 R または複素数体 C)への連続線型写像(この場合、線型写像のことを(線型)汎函数と言う)。汎函数 φ のノルムは、V の全ての単位ベクトル(ノルム 1 のベクトル)v に亙って取った |φ(x)| の上限(上限ノルム)として定義される。これにより双対空間 V′ はノルム空間となる。ノルム空間上の連続線型汎函数に関する重要な定理に、ハーン–バナッハの定理がある。
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