網膜芽細胞腫とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > ヘルスケア > 細胞 > 細胞腫 > 網膜芽細胞腫の意味・解説 

網膜芽細胞腫

・網膜芽細胞腫(retinoblastoma

生後2週間から3歳までの乳幼児多く発生する代表的な悪性眼内腫瘍です。ひとみが猫の目のよう黄白色に光るのに気付いて受診することが多いようです。はじめ眼底小さな腫瘍ができ,それがだんだん大きくなっていきます。さらに進行すると脳や全身転移して死亡します。ひとみが黄白色に光って見える状態では腫瘍硝子体中に広がっており失明していますから転移を防ぐため早期眼球摘出行ないます両眼発生する例も約30ありますから,他眼に十分注意し早期発見努める必要があります早期発見されれば,視力保たれることも少なくありません。


網膜芽細胞腫、網膜芽腫

【仮名】もうまくがさいぼうしゅ
原文retinoblastoma

網膜眼球後面存在する、光を感知できる神経組織の膜)の組織発生するがん。網膜芽細胞腫は通常5歳未満小児発生する遺伝性の場合もあれば、非遺伝性散発性)の場合もある。

網膜芽細胞腫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/06 05:27 UTC 版)

網膜芽細胞腫(もうまくがさいぼうしゅ、retinoblastoma)とは眼球内に発生する悪性腫瘍である。大部分は2〜3歳ころまでに見られる小児がんであり、胎生期網膜に見られる未分化な網膜芽細胞から発生する。

網膜芽細胞腫のデータ
ICD-10 C692
統計
世界の患者数
日本の患者数 80人/年
(2005年11月1日)
○○学会
日本 日本眼科学会
世界 世界眼科学会
この記事はウィキプロジェクトの雛形を用いています

疫学

15,000人に1人の割合で発病する。地域による大きな差はない。

約10~30%は両眼性で常染色体優性遺伝、残りは片眼性で散発性である。

症状

以下の4期に分けられる。

網膜内の腫瘍が硝子体内に隆起し、瞳孔が猫の目のように光るいわゆる白色瞳孔となる。その他気づきやすい症状としては以下のものがある。
  • 第2期 緑内障期
腫瘍の増殖に伴い眼圧が上昇し、続発性の緑内障となる。
  • 第3期 展開期
水晶体だけでなく虹彩や前房にも腫瘍が進展し、さらに眼球壁を破って眼窩にも認められるようになる。
  • 第4期 転移期
視神経や脈絡膜血管を介して肝臓など全身に転移して死亡する。

診断

眼底所見、CTMRI超音波診断などで確定診断される。 白色瞳孔を来たす他の疾患との鑑別診断が重要となる。

治療

「刑事コロンボ」の名優ピーター・フォークは3歳のとき網膜芽腫で右側の眼球摘出手術を受け[1]、その後は片方義眼で生涯を過ごした。

原則として早期に眼球摘出を行う。視神経はできるだけ長く眼球側へつけて切除する。視神経断端を検査し、腫瘍細胞が認められた場合は放射線治療を実施する。

両眼性であれば重篤なほうを眼球摘出し、もう一方は極力温存する。治療としてはX線、放射線治療などのほか、エンドキサンビンクリスチンなどの抗癌剤を投与する。しかしながら治療を行っても腫瘍が増大する場合は、直ちに眼球摘出を実施する。

日本では、白色瞳孔など眼球内病変で発見される場合が多く、治癒率が90%程度得られている。そのため、最近の関心は治癒から視機能温存に移りつつあり、放射線治療と抗癌剤やレーザー焼灼を組み合わせた治療が増えている。

脚注

  1. ^ Peter Falk”. en:The Biography Channel (UK and Ireland). 2009年1月30日閲覧。

関連項目

外部リンク




網膜芽細胞腫と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「網膜芽細胞腫」の関連用語

網膜芽細胞腫のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



網膜芽細胞腫のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
医療法人社団医新会医療法人社団医新会
Copyright (C) 医療法人社団 医新会 All Right Reserved.
がん情報サイトがん情報サイト
Copyright ©2004-2025 Translational Research Informatics Center. All Rights Reserved.
財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの網膜芽細胞腫 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS