組版と書体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/04 09:52 UTC 版)
現代の和文書体の一文字は、捨て仮名も含めて、基本的に正方形にデザインされる。いわゆる「連綿体」を再現した活字は、これに当てはまらない。 一文字ごとに縦横の長さが異なる欧文書体と異なり、同一の活字で縦組と横組の二種類の組み方向を使い分けることができる。現代のコンピュータ用フォントは、字ごとに字幅が異なる「プロポーショナルフォント」もある。これらは字形に応じて字間が変化するため、平仮名と片仮名を含む文字列を組むときに、縦横の組み方向を替えると同じ字数でも行長が異なることがある。縦横両用の書体は表現力の限界があり、仮名書体を中心に縦組用と横組用の書体が設計された。鈴木勉が設計した写植書体「スーシャ」は、横組専用書体の代表例である。 等幅書体以外の欧文書体は、活字の横幅を示すセットが文字ごとに異なるため、一行あたりの字数は内容によって異なる。活版の組版で誤植があった場合、ピンセットで単純に差し替えることは難しく、単語間の空量調整などを要する。和文活字はセットが等しく差し替えは容易である。欧文の植字で誤植を誘発し易い'y'と'j'などの文字はセットがほぼ等しく崩れは大きくならない。
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