組合運営上の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 23:55 UTC 版)
組合が抱える昨今の一番の問題は管理費及び修繕積立金の滞納である。管理費は管理業者に法定点検や日常の清掃などの委託の為に支払われ、修繕積立金は共用部分の補修のため積立預金されるが、これが不足する事により管理が行き届かず補修もままならない状態が続くとマンションの価値が低下する。これにより入居率が低下することで物件価格や賃貸時の家賃相場が更に低下するという悪循環に陥りスラム化する。 管理費や修繕積立金を預金として管理している場合、大規模なマンションでは、修繕積立金が億を超える金額になることもある。その場合に、ペイオフを考慮する必要がある。緊急対応として、決済用普通預金に切り替えるなどの手法がある。管理費や修繕積立金を運用する場合、管理組合の法人登記が必要になる場合がある。 この他の問題として、管理組合は管理を委託する管理業者を自由に選択することができるが、現実には購入時に販売会社によって関連の管理会社が既に決められていたり、また、マンションの管理規約は国土交通省発行のマンション標準管理規約が雛形とされているが、販売会社が予め作成した管理規約への同意が購入の条件となることも多く、これには当然ながら販売会社や管理業者の意向が強く反映された内容が追加されておりトラブルになる事もある。 また、継続性が必要という業務の性質上、市場競争が作用しにくく不明瞭な契約金などでのトラブルが多数報告されており、管理業者の変更を検討した管理組合の約30%はなんらかの妨害を受けているという調査がある。 一方では管理組合にもマンション毎に温度差があり、管理会社にまかせっきりで事実上機能していない管理組合や、組合員同士が激しく対立して組合総会もままならないというケースもある。 大規模な修繕に際しては工事請負業者の選択に当たり慎重な審査を要するが、悪質なコンサルティング会社が介在した場合などには判断は難しいものとなる。業者が倒産など請負業務の遂行が困難な場合、別の業者が引継ぐ仕組みもある。これは多くの業者がまとまって法人格を取得し、この法人が保証するものである。
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