終局に関するトラブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 16:22 UTC 版)
「囲碁のルール」の記事における「終局に関するトラブル」の解説
とりわけ日本ルールでは終局に関するルールがやや煩雑である。そこで、例えば、お互いの合意が成立していないのに終局が成立していると勘違いし、駄目詰めに対して必要な着手(手入れという)をせずに石をとられてしまい、終局していたかどうかで争いになってしまうといったトラブルが起きることもある。こういったトラブルはアマチュアだけでなくプロでも起こり得る。 2002年王立誠二冠(棋聖・十段)に柳時熏七段が挑戦した第26期棋聖戦七番勝負第五局において、終局したと思っていた柳時熏は「駄目詰め」の作業に入っていたが、王立誠は終局とは思っておらず柳時熏の石六子を取ってしまった。終局していないのなら柳時熏は取られないように「手入れ」すべきで、終局しているなら順序関係なくお互いの地にならない駄目をつめるだけだったため柳時熏は手入れを怠った。これにより王立誠の逆転勝利となり、行為の正当性を巡り囲碁界に論争を巻き起こした。この騒動では、初めてビデオによる裁定が行われた。なお一部で誤解されているが、この事件によって日本囲碁規約が改訂されたということはなく、この事件の影響はプロの間で終局処理が実際に日本囲碁規約に沿った形で明確に行われるようになったということである。ただし、王銘琬によると、この事件以降、日本のプロ棋界では「終局と思われる場面でも、何も言わず、最後まで交互にダメをつめる」ようになったという。
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