系字(通字)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 07:35 UTC 版)
中国や朝鮮半島では、祖先の諱を避ける代わりに同一血統で同世代の者が諱の中で特定の字を共有する習慣があり、系字もしくは通字という(輩行字)。同世代の間で共通の字を用いることから、特に列系字と呼ばれることもある。 中国では南北朝時代以降、諱は漢字二文字を用いることが広まるが、この二字のうちの一字について、兄弟、従兄弟など、同族で同世代の男子が世代間の序列を表すために名に同じ文字を共有する。これにより一族の中での世代間の長幼の序を確認し合うことができる。一字名の場合は、同部首の漢字を用いることで系字とする(蘇軾・蘇轍など)。また、世代間で規則に従った系字を順に配することもあり、この場合は行列字とも言われる(ある世代が「水」系字の場合、五行説によって次の世代に「木」系字を用いるなど)。 なお、現代の北朝鮮の国家指導者の名においては、金日成、子の金正日、孫の金正恩と、むしろ日本式に近い通字の使用が見られる。このように朝鮮の伝統に反する命名についての理由は、識者から種々の憶測はなされているが、明らかではない。 日本でも平安時代初期にこの習慣が一時行われたが、のちには一族の中で、多世代にわたって同じ字を諱のうちの一字として用いる通字がむしろ広く行われ、列系字に対して行系字と呼ばれる(後述)。
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