等級の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 06:47 UTC 版)
等級の呼称、記号、意味呼称英名略号説明見かけの等級 apparent magnitude m ある場所(主に地球)で測定された天体の等級。特に断りがない場合はVバンド(波長550 nm付近の等級)での等級(V等級)を指す。 絶対等級 absolute magnitude M 10 パーセク (pc) の距離から見たときの等級。特に断りがない場合はV等級を指す。 実視等級 visual magnitude mv ヒトの肉眼による観測で得られた見かけの等級。近年、Vバンドでの見かけの等級を指すことが多い。 実視絶対等級 absolute visual magnitude Mv 実視等級を定義したバンドでの絶対等級。 写真等級 photographic magnitude mpg 肉眼よりも近紫外線から青にかけての感度が高い、写真の撮像から判定された等級。 写真実視等級 photovisual magnitude mpv 黄色フィルタで補正をかけた撮像から得られた実視等級。 放射等級 bolometric magnitude mBol 輻射等級とも。恒星の全放射エネルギーに対応する等級。 見かけの放射等級 apparent bolometric magnitude mBol 恒星の全放射エネルギーに対応する見かけの等級。 放射絶対等級 absolute bolometric magnitude MBol 恒星の全放射エネルギーに対応する絶対等級。 等級には、観測者からの距離に関係した見かけの等級と絶対等級、測定に使われた波長に関係した写真等級や実視等級、全波長の総エネルギー量を反映した放射等級などがある。このうち、見かけの等級と実視等級はいずれも「Vバンド(波長550 nm前後)での見かけの等級」を意味する言葉として用いられることが多いため、同一のものとみなされることがあるが、本来は異なる概念で定義されたものである。 天体の明るさは、観測に使われる波長域によって異なる。現在主流の測光システムであるUBVシステムでは、Uバンド(波長350 nm前後)、Bバンド(波長440 nm前後)、Vバンドの等級が主に使われており、それぞれU等級、B等級、V等級と呼ばれる。恒星に対して「~等星」という場合、特に断りがない場合、Vバンドでの見かけの等級で区分されたものである。
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