第2の鑑定(木村鑑定)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 03:59 UTC 版)
弁護側の再鑑定依頼に応じて1985年6月に法廷へ意見書を提出したのは、弘前大学教授夫人殺人事件や松山事件の再審鑑定で名が知られていた、千葉大学医学部法医学教室教授の木村康であった。木村は、検察側が主張するような犯行様態では必ず扼痕が生じるはずであり、頸部表皮に何ら異常がない本件は扼殺とするには矛盾がある、と法廷で証言した。稲村鑑定において扼殺の根拠とされた頸部筋肉内出血については、事件前夜にAの妻が息子に肩もみをされていたとの情報から、ワーファリンによる出血傾向と肩もみの外的刺激が重なった結果である可能性がある、とした。最終的に木村は、Aの妻の死因は心筋症による突然死と考えるのが妥当、と結論した。
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第2の鑑定(草刈鑑定)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 05:18 UTC 版)
草刈の提出した意見書は以下のような内容であった。すなわち、そもそも絞殺体の索溝というものはほぼ胴体に水平に、首の周りをむらなく囲んでいるのが定型であり、この時点で(ロ)溝は絞殺痕の定型ではない。非定型的な絞殺痕が形成される可能性はいくつかあるが、 前方から帯を押しつけた場合この方法では絞殺は困難であり、(ロ)溝のように深い索溝も残らず、また力のかかり方から索溝も水平にならざるを得ない 首に背後から帯を回し、犯人が身体を背負って締め上げた場合この場合、2人の体勢から考えて生じるはずの頭髪の乱れが、小笛の遺体にはみられない 柔道技のように襟で締め上げた場合(ロ)溝は明らかに襟などで形成されうる形状をしていない 普通に絞殺したが、後頚部に襟や頭髪が入り込んだため索溝にむらができたこれも上と同様、小笛の遺体には頭髪の乱れがなく、襟による痕もない となり、絞殺痕としてはいずれの仮説も成り立たない。 このように草刈は他殺説を真っ向から否定し、小笛は(ロ)溝で首を括り自殺したと結論付けた。これを否定する小南鑑定の反論については、そもそも帯が(イ)溝まで滑ったならば2溝の角度は違っていて当然であり、また小南も認めているような遺体の腐敗の激しさからすれば、2溝の間の皮膚に異常がないと断定はできない、とさらに反論した。そして、そもそも柔らかい布では索溝から生活反応が表れないことはままあり、皮下出血がない点を以て(イ)溝が死後に形成されたと断定することもできない、と述べた。
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