第一信号系と第二信号系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 15:11 UTC 版)
周囲の現実(色、におい、味、触感)の直接的な(言語を媒介としない)作用に対して発生する条件反射の総和が第一信号系である。 人間の脳髄では、第一信号系と相互に作用しあいながら、第二信号系が発生し、発達する。これは、言語刺激の作用のもとに形成される一時的結合の体系である。 第二信号系の活動は、第一信号系と相互に密接に作用しあいながら、複雑な種類の心理活動、すなわち抽象的な人間思考の生理学的基礎をなしている。 二種類の信号系は均衡的な相互作用的関係にある。この均衡は病的に崩れることがある。また、そのような病的障害でない場合でも、顕著な障害ではない信号系の不均衡すなわちいずれかの総体的優勢はあり得て、第一信号系が優勢のものは「芸術型」第二信号系が優勢のものは「思考型」均衡が認められる場合には「中間型」と分類できる。 信号系の発達は、均等には行われない。幼時には第一信号系による規定が主導する。言語系は、生後10ケ月以降徐々に形成され始める。当初は周囲の現実の直接的印象や表象が主導するものが、低学年児童の段階になると、第二信号系の発達を、教授=学習過程が強く推進し始める。児童の得る知識の範囲は、児童を直接に取り巻く現実の範囲を越える。
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