竹林の増加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 01:51 UTC 版)
詳細は「竹害」を参照 戦後の竹材需要の減少に加え、20世紀最末期になって以降は中国産の安価なタケノコの輸入が増えて市場価格が下落したため、日本国内の竹林は放置傾向にある。それによって引き起こされたモウソウチクの他植生への侵入によって、広葉樹の生長が阻害され枯死することが判明している。さらに、他の樹種の影響をうけにくい杉でさえもモウソウチクの特性(3ヶ月で最大まで生長する。柔軟なので風が吹く度にしなってスギへ当たる)により生長が妨げられ、放置されたスギ林へもモウソウチクがよく侵入して群落を拡大している。(上久保、2003) 放置された竹林は、密になって荒れると同時に、周囲の放置されている里山や休耕田などに広がる。中には山の斜面全体が竹林と化した場所も見られるようになって、環境保全上の問題となっている。竹林内は落葉がたまることや、やや薄暗いことから、植物相は多様度が低く単調となり貧しいが、その地域の常緑樹のなかではアオキ、ヒサカキ、シラカシ、チャノキ、ツバキなどがよく共存している。また、倒れた稈や切り株などの節間の空隙には雨水がたまりやすく、ヒトスジシマカやキンパラナガハシカのようなヤブカ類の好適な発生源となるため、管理放棄された竹林に接近、侵入すると、多大な蚊の被害を受けることになる。
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