窒素分子の用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 02:07 UTC 版)
窒素は工業分野では幅広い用途に使われている。また窒素単体だけでなくその化合物も様々な用途に広く使用される。窒素化合物を生産する工業は「窒素工業」と総称され、化学工業の重要な一分野となっている。 ハーバー・ボッシュ法によるアンモニア生産の原料。 冷却剤(液体窒素) - 液体窒素温度(−195.8 °C)まで冷却でき、安価で比較的安全なため、低温における化学および物理学の実験、オーバークロック競技などでのCPUの冷却、工業用プラント、受精卵の凍結保存、爆発物処理などの冷却に用いられる。 食品の酸化防止のための封入ガス。 テクニカルダイビング用呼吸ガス(ナイトロックスやトライミックスなど混合ガス)。 消火器の加圧粉末式・蓄圧粉末式の圧力源。 不活性ガスとしての特性を生かし、タイヤやアキュムレータにも使用されている。 ゴムタイヤへの充填では、空気に比べて乾燥しているため、急激な温度変化にさらされる航空機用では内部の凍結や結露を防ぐことができ、かつ、モータースポーツなどの過酷な条件下でも温度に対する内圧の変化が少ない。一般的な自動車での使用でも(タイヤ内部に酸素遮断膜はあるものの)ゴムを透過しやすい酸素を含まないため抜けにくくなる利点がある。 窒素ガスの2004年度の日本国内生産量は90億5897万8000立方メートル、工業消費量は35億9448万立方メートル、液化窒素の2004年度日本国内生産量は22億2227万立方メートル、工業消費量は3億6105万1000立方メートルである。
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