種の命名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 21:14 UTC 版)
スピノサウルスは2種が命名されている。スピノサウルス・エジプティアクス(Spinosaurus aegyptiacus、「エジプトの棘トカゲ」の意)とスピノサウルス・マロッカヌス(Spinosaurus maroccanus、「モロッコの棘トカゲ」の意)である。 最初に記載されたスピノサウルスの標本は、20世紀初頭に発見・記載された。1912年にリチャード・マークグラフはエジプト西部に分布するバハリヤ層(英語版)から巨大な獣脚類の恐竜の化石を発見した。1915年にはドイツの古生物学者エルンスト・シュトローマーがこの標本を新属新種 Spinosaurus aegyptiacus に割り当てる論文を発表した。 椎骨と後肢の骨を含むバハリヤ層産の追加の断片化石は、1934年にシュトローマーによりスピノサウルスBとして発表された。シュトローマーはこれらの標本は別種に分類するのに十分な差異があると考えた。スピノサウルスBは後にカルカロドントサウルスやシギルマッササウルスに再分類された。 S. maroccanus は、当初1996年にデイル・ラッセルにより頸椎の長さに基づいて新種として記載された。特にラッセルは椎体の後側関節面の高さに対する長さの比率が S. aegyptiacus では1.1であるのに対し S. maroccanus では1.5であると主張した。後の研究者らはこの話題で二分された。椎骨の長さが個体ごとに異なりうる点や、ホロタイプ標本が破壊されているため S. maroccanus 標本との直接比較が不可能である点、S. maroccanus の標本が何番目の頸椎であるか不明な点が指摘された。そのため、本種を有効な分類群として扱う者もいる一方、大半の研究者は S. maroccanus を疑問名あるいは S. aegyptiacus のジュニアシノニムとして扱っている。
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