科学上の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 01:31 UTC 版)
ギブズの死後、彼への敬意の一つとして、イェール大学は、「J.ウィラード・ギブズ記念理論化学教授職」を創設した。ノーベル賞受賞者ラルス・オンサーガー (Lars Onsager) は、そのイェール大学での経歴の殆どの期間この職にあったが、彼が、ギブズと同様、新しい数学上のアイデアを、物理化学(特に統計力学)に応用することに何よりも関わったことを思えば、これはオンサーガーにとり極めてふさしい職名であった。 19世紀中葉、米国の大学は、科学に殆ど関心を示さず、古典に偏重していたから、ギブズの講義は、学生の興味を殆ど引かなかった。彼の業績に興味を持ったのは、他の科学者、特に、スコットランドの物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェルだった。ギブズが論文を発表したのが、ヨーロッパでは余り読まれていない無名雑誌であったため、評価されるようになるのは遅く、ギブズの考えがヨーロッパで広く受け入れられたのは、論文がヴィルヘルム・オストヴァルトにより書籍の形でドイツ語訳され(1888年)、アンリ・ルシャトリエによりフランス語訳されて(1899年)からだった。 N・ウィーナーは、ギブズが物理学の根本に統計を導入したことを極めて高く評価して、「アインシュタインやハイゼンベルクやプランクよりギップズのほうにこそ、二十世紀物理学の最初の大革命の功績は帰せられるべきだと思う」と評した。
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