神沢市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 09:15 UTC 版)
元は単なる地方都市であったが、現在は人妖都市と渾名されるほど人妖が多いという特徴を持つ町。その発端は、かつての市長が政府から支給される莫大な補助金の誘惑に負けて人妖の収容施設を建設した事に始まる。 それは人妖を忌避した普通の人間が市から流出し、そして迫害を受けていた人妖が逆に流入する事態を招いた。結果、神沢市は全人口の九割以上が人妖という、世界でも例を見ない人妖都市として成立することになる。 このことから、日本人以外にも外国人が留学生などの名目で島流し的に送られることがある。 周囲は高い壁・フェンスによって囲まれ、さらに市を取り囲むように自衛隊が展開している。神沢市から他都市への全ての交通機関には自衛隊による厳しい検問所が設けられており、特別な許可証がなければ市から出ることは出来ない。自衛隊員は、差別に晒された人妖を常に見ているためか、人妖に対して同情的・友好的な者が多い。 さらに、フェンスの周りを取り囲むように、人妖によって被害を受けた犯罪被害者などを中心とした反人妖団体らが集まって抗議行動を繰り広げている。自衛隊に逮捕権が存在せず、警察は近づかないため、神沢市に行こうとする人妖に対して物が投げつけられるなどの被害が後を絶たない。 街並み自体は普通の地方都市といった様相だが、容姿が明らかに普通の人間とは違う人妖も普通に町中を出歩いている。 治安はかなり悪い。人妖の能力を悪用した凶悪犯罪が後を絶たないため、神沢の警察はそれらの対応に追われ、少年犯罪などは後回しにされるからである。 こうした事情から市全体が一種の隔離施設であり、家族から切り離された(もしくは見捨てられた)者が集まるため、家族全員がそろっている家庭の数は少なく、学生であっても一人暮らしの場合が多い。しかし政府からの補助金があるため、自活能力さえあれば学生であっても平均レベルの生活は可能となっている。ちなみに、この補助金は将来返還する必要がある。
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