破壊メカニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 13:42 UTC 版)
鉄筋コンクリートには、曲げ引張破壊と曲げ圧縮破壊、せん断破壊、付着割裂破壊、疲労破壊などの破壊メカニズムがある。 曲げ引張破壊 コンクリート部材に曲げモーメントが作用したときに、引張り側の鉄筋が降伏に達して、部材が破壊するモード。 曲げ圧縮破壊 曲げ引張破壊と同じく、コンクリート部材に曲げモーメントが作用したときに、圧縮側のコンクリートが破壊に達して、部材が破壊するモード。鉄筋量が極端に多いときに発生する。 せん断破壊 コンクリート部材にせん断力が作用したときに、せん断耐力に達して破壊するモード。非常に脆性的な破壊であり、防がなければならない。 付着割裂破壊 鉄筋の引き抜きにより、鉄筋に沿ってクラックが入り、それが進展して部材の破壊に至るモード。異形鉄筋が引き抜きに耐えられなくなったときに発生する。 疲労破壊 部材の応力は破壊に達していなくとも、荷重を数百万回にもわたって受けることによって局所的にクラックが入り、それが進展して部材の破壊に至るモード。 コーン状破壊 コンクリート部材に打ち込んだアンカーに引き抜き力が作用したときに、せん断耐力に達して破壊するモード。 曲げ破壊を防止することを目的とした鉄筋を主鉄筋、せん断破壊を防止するための鉄筋をせん断補強鉄筋と呼ぶ。梁のせん断補強鉄筋を肋筋またはスターラップ、柱のせん断補強鉄筋を帯鉄筋またはフープと呼ぶこともある。主鉄筋は部材の長い方向に配され、せん断補強鉄筋はそれに垂直に固定される。梁の場合、通常、荷重は上からかかるので主鉄筋は上下端に配される。一方、柱の場合、地震などの方向の特定できない外力に耐える必要から四辺ともに配される。
※この「破壊メカニズム」の解説は、「鉄筋コンクリート」の解説の一部です。
「破壊メカニズム」を含む「鉄筋コンクリート」の記事については、「鉄筋コンクリート」の概要を参照ください。
- 破壊メカニズムのページへのリンク