知識と会話を達成する方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/10 18:54 UTC 版)
「聖守護天使」の記事における「知識と会話を達成する方法」の解説
クロウリーは、アブラメリンの方式がこの試みに成功する唯一の方法ではないと述べた。 ひとが聖守護天使の知識と会話を達成しうるような正確な規則を定めるのは不可能である。それは人それぞれの秘密だからである。その人の位階が何であろうと、他の誰にも教えることも察することもできない秘密。それは聖域中の聖域であり、そこでは各人が自身の司祭長となるのであって、そこには自分の兄弟の神の名を知る者もいなければ、これを請(しょう)ずる儀式を知る者もいないのだ。 『アブラメリン』で説明されている作業はあまりに複雑で時間と資金も必要で、ほとんどの人には不可能であるため、クロウリーはもっとやりやすい方法を用意しようと考えた。イタリアのテレマの僧院に滞在中、彼はHGAの知識と会話を得るために特別にデザインされた儀式「サメクの書」を書いた。この儀式の注の中でクロウリーは成功の鍵を要約して「頻繁に請ぜよ」と記している。 彼はまた、この儀式の一般的な神秘主義的プロセスを次のように詳述している。 アデプトは、無意識裡に真の意志を発する部分である最奥の自己を、聖守護天使を認識することに自由に集中させられるようになる。成功のためには身体的・心的・アストラル的意識をなくすことが決め手となる。というのも、自分の魂の声が聞こえないのはこれらの意識が注意を奪うためであり、自分が意識の仕事に気をとられていることがその魂を認識する妨げになっているからである。 儀式の効果は以下の通りである。 意識はずっとそれ自身の仕事で忙しいため、魔術師の気を逸らさなくなる。 意識は完全に分離されるため、魔術師の魂は覆いを剥がされる。 強い熱狂を自分の内に呼び起こして自分を酩酊させ麻痺させれば、この霊的解剖の苦痛を感じて腹立たしく思うこともなかろう。不思議にも欲望と併存する強い羞恥心をやりすごすために結婚初夜に酒に酔いしれる恥らいの恋人たちのように。 あらゆる要素から必要な霊的力を集め、それを一気に聖守護天使への熱望へと注ぎ込む。そして、 天使を請ずる魔術的声の振動によって天使を惹きつける。 このように儀式の方法は多岐にわたる。 一般的な作業の詳細な記述としては他に『霊視と幻聴』(The Vision and the Voice)の「第八アイテール」に述べられており、また、『八之書』(Liber 8)でも描写されている。
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