眼の前に固定する方法による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 21:48 UTC 版)
「眼鏡」の記事における「眼の前に固定する方法による分類」の解説
フレームの第一の目的は、眼の前の適切な位置にレンズを固定することである。固定する方法は、以下のように様々なものが試みられてきた。 柄付眼鏡 虫眼鏡のように手で持って使用するもの。掛け外しが頻繁で常用しない老眼鏡向け。 片眼鏡 片方の眼窩にレンズをはめ込むようにして使うもの。現在では一般的でない。モノクルとも。 鼻眼鏡 テンプルがなく、鼻をばねで挟むような形で装用するもの。現代では一般的でない。目立たず、審美上の利点があるが、顔の形によっては掛けるのがほとんど不可能である。レンズの位置角度が狂いやすく、光学的にも好ましくない。フィンチ、パンスネ、鼻掛眼鏡とも。英語の eyeglasses はかつてはこの形式のものをのみ指した。詳細は別項を参照。 一山(いちやま) テンプルはあるが鼻当てがなくブリッジが直接鼻に当たって眼鏡を支えるもの。現代では少数派である。今日では両者は眼鏡を指す同義語となっているが、英語の spectacles はかつてはこの形式のものをのみ指し、鼻眼鏡を指す eyeglasses と区別された。鼻当てつきのものと違って鼻の高さに合わせて調整することができないので、同一デザインでブリッジ高さを変えたフレームが多数用意された中から、鼻の高さだけでなく出目奥目の具合をも考慮して適切なブリッジ高さのものを選ばなければ正しくかけられない。鼻が高さが同じでも、出目であれば張り出したブリッジを選択すべきではないし、奥目であれば張り出したブリッジが必要になる。一山フレームが一般的だった時代の眼鏡処方箋には、ブリッジの高さ、幅、深さの記入欄があった。落下防止のため、縄手や長手が持ちられることが多い。1912年のアメリカン・オプティカル・カンパニーの一山フレームには、瞳孔間距離、ブリッジの鼻に接する部分の幅、高さ、そしてレンズに対してブリッジが張り出しているか同一平面上か引っ込んでいるかの順列組み合わせで180種のブリッジが用意されていた。店頭に一山フレームが一つあるいは数個しか在庫されていないようでは、そのフレームがたまたま自分の顔に合っているのは幸運な場合のみである。 つる付き眼鏡 鼻当てとテンプルによって支える形式。英語では当初、eyeglasses に spectacles のテンプルを取り付けたものであることから spectaclettes スペクタクレッツと呼ばれた。1913年の書籍では鼻の斜面が垂直に近かったり肌が敏感だったりで一山をかけられない人に勧められるフレームとして位置づけられていたが、現代では多くの人に勧められるもっとも一般的な形式である。鼻眼鏡と対比しては耳掛眼鏡とも。
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