真核生物のRNAポリメラーゼ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 22:22 UTC 版)
「RNAポリメラーゼ」の記事における「真核生物のRNAポリメラーゼ」の解説
真核生物にはRNAポリメラーゼI、II、IIIといった3種類のRNAポリメラーゼがある。1969年にロバート・ローダー (Robert Roeder) とウィリアム・ラター William Rutter が発見した。3つは合成するRNAが異なり、RNAポリメラーゼⅠはrRNA前駆体を合成する。RNAポリメラーゼIIは、タンパク質をコードするmRNAのほか、いまだ謎の多いヘテロ核内RNA (heterogeneous nuclear RNA, hnRNA) や大部分の核内低分子RNA (small nuclear RNA, snRNA) を合成する。hnRNAとsnRNAは成熟mRNAの合成に関わる。RNAポリメラーゼIIIはtRNAや5S rRNA、前述とは別のいくつかのsnRNAの前駆体を担う。また、細胞内の分布も別で、RNAポリメラーゼIは核小体にだけ、IIとIIIが核質にだけ存在する。 細菌は開始因子が1つ (σ因子) だけだったが、真核生物では複数の基本転写因子 (general transcription factor, GTF) を必要とする。しかし、実際にはヌクレオソームがあるためさらにDNA結合調節タンパク、いわゆる介在複合体、ヌクレオソーム修飾酵素をはじめとしたいくつかのタンパク質を必要とする。
※この「真核生物のRNAポリメラーゼ」の解説は、「RNAポリメラーゼ」の解説の一部です。
「真核生物のRNAポリメラーゼ」を含む「RNAポリメラーゼ」の記事については、「RNAポリメラーゼ」の概要を参照ください。
- 真核生物のRNAポリメラーゼのページへのリンク