ちょくせん‐しきいちなしかせつ〔‐しきゐチなしカセツ〕【直線×閾値無し仮説】
読み方:ちょくせんしきいちなしかせつ
直線しきい値無し仮説(LNT仮説)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 16:50 UTC 版)
「低線量被曝問題」の記事における「直線しきい値無し仮説(LNT仮説)」の解説
統計的に検証できない低線量の被曝についても、線量とがんや白血病などの発生確率は比例すると考えるのが直線しきい値無しモデル(LNTモデル)と呼ばれる仮説である。LNTモデルは1977年のICRP勧告第26号において、人間の健康を護る為に放射線を管理するには最も合理的なモデルとして採用された。この勧告では、個人の被曝線量は、確定的影響(急性放射線障害)については発生しない程度、確率的影響(がんや白血病など)についてはLNTモデルで計算したリスクが受容可能なレベルを越えてはならず、かつ合理的に達成可能な限り低く (as low as reasonably achievable, ALARA) 管理するべきであり、同時に、被曝はその導入が正味の利益を生むものでなければならないことを定めている。 ICRPによるガンのリスク係数 ICRPは、100mSv以下の被曝線量域を含め、被曝線量とその影響の発生率に比例関係があるとするモデル(直線しきい値無し(LNT)仮説)に基づいて放射線防護を行うことを推奨している。このモデルに基づく全世代を通じたガンのリスク係数は100mSvあたり0.0055(100mSvの被曝は生涯のがん死亡リスクを0.55%上乗せする)に相当する。
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