発音の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 22:47 UTC 版)
ポルトガル語にはeやoに2通りの発音(é/ê, ó/ô: ポルトガルではこれにあいまい母音化したeが加わる)があるが、スペイン語は1通りの発音(日本語のエやオと同じ発音)しかない。 ポルトガル語には鼻母音があるが、スペイン語にはない。 ポルトガル語ではchはシャ行の発音だが、スペイン語ではチャ行の発音である。 ポルトガル語では上記のchの他、語末や破裂音の前のsやxを/ʃ/と発音し、ポルトガル語ではこの音は頻出するが、スペイン語の音素には存在しない。しかし、カスティーリャ地方では/s/を発音する際舌を凹状にするためやや[ʃ]に近い。 ポルトガル語ではジャ行の発音となるge/gi/jは、スペイン語ではハ行の音に近い音(日本語にはない音で、日本語のハ行と同音ではない)である。 ポルトガル語では音節末のlがウに近い発音になるが、スペイン語ではそのような変化は起きていない。 ポルトガル語のlhはリャ行の発音を留めているが、本来はこれと同じ発音だったスペイン語のllはほぼ全ての方言でジャ行あるいはヤ行(スペイン語話者はこれらの音の区別は困難。ブエノスアイレスではシャ行)に変化している。 ポルトガル語ではハ行で発音される語頭のrやrrは、スペイン語では巻き舌で発音される。 スペイン語にはザ行の発音がなくsとzはサ行の発音となる(Brasilを「ブラシル」、Venezuela を「ベネスエラ」と発音) スペイン語ではvとbの発音は区別がなく常にbの発音だがポルトガル語ではイタリア語やフランス語と同様に区別される。(Cabo Verdeはスペイン語だと"カーボベルデ"と表記出来、ポルトガル語だと"カーボヴェルデ"と表記出来る) スペイン語ではxはs(子音の前あるいは語頭)あるいはks(母音の前)と発音されるが、メキシコ関係の地名ではハ行で発音される(Méxicoメヒコ、Oaxacaオアハカなど)。 ポルトガル語・スペイン語間で同源同義の単語で子音交替が起こることがある。l と r :「白」はポルトガル語で branco、スペイン語で blanco。「南」はポルトガル語で sul、スペイン語で sur。「サーベル」はポルトガル語でsable、スペイン語でsabreである。 b と v :「本」はポルトガル語で livro、スペイン語で libro。「バニラ」はポルトガル語で baunilha、スペイン語で vainilla。 ポルトガル語・スペイン語ともにk, w は外来語にしか使われない。yはポルトガル語では外来語にしか使わないが、スペイン語では頻繁に使われる(ヤ行またはジャ行の発音)。
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