東西の子音字の発音の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 09:21 UTC 版)
「アルメニア語」の記事における「東西の子音字の発音の違い」の解説
分類の節で述べたとおり、アルメニア語の西方言は中世に音韻変化を起こしたために、破裂音または破擦音をあらわす文字の発音が東方言とは異なる。破裂音および破擦音の文字に関して東西の発音の対応関係を示すと、次表のようになる。 東方言↔西方言無気無声音 պ、տ、կ、ծ、ճ 無気有声音 無気有声音 բ、դ、գ、ձ、ջ 有気無声音 有気無声音 変化なし:փ、թ、ք、ց、չ 有気無声音 具体例を示せば、東方言において կ, գ, ք がそれぞれ /k/, /ɡ/, /kʰ/ と発音されるのに対し、西方言ではそれぞれ /ɡ/, /kʰ/, /kʰ/ と発音され、とくに գ と ք の発音に違いがなくなる。同様に、ծ, ձ, ց が東方言ではそれぞれ / t͡s /, / d͡z /, / t͡sʰ/ と発音されるのに対し、西方言ではそれぞれ/ d͡z /, / t͡sʰ/, / t͡sʰ/ となる。 そのほか、յ について一部発音が異なる。西方言では յ が語頭にくるときは /h/ と発音する。また語尾の -յ は一部の単語を除いて発音されない。一方、東方言の新正書法では յ を一律に /j/ と発音するよう、語頭の յ を հ に替えたり語尾の無音の յ を省いたりして改正されている。
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