発生過程における障害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/23 06:17 UTC 版)
絞扼輪症候群 妊娠中に羊膜が損傷を受け、生じた羊膜のひだが胎児の四肢に巻きつくことによって、その部分より末梢の血流が障害されて発生すると考えられている。 患者の四肢には絞扼輪と呼ばれる、紐で締め付けられたように細くなっている部分があり、絞扼輪より末梢は発育不全や欠損に至っている。知的障害は一切ない。 ほとんどの場合、羊膜が障害を受けた原因は不明。 先天性風疹症候群(Congenital Rubella Syndrome;CRS) 妊婦が、妊娠初期に風疹に感染した場合に、胎児に発生することもあるとされる症候群。 先天性心疾患、白内障、高度難聴、網膜症、発育障害、精神運動発達遅滞、血小板減少など多岐にわたる症状がみられる。 必ずしも風疹ウイルスに対する初感染によるものとは限らないと指摘されており、妊娠年齢に達した女性のみに免疫をつけるだけではCRSの予防としては不十分と考えられている。日本においては、2006年改正の予防接種法で、1歳および就学前年の2回、麻疹・風疹混合ワクチンを接種することとなっており、風疹の流行そのものを阻止する対策が採られている。 巨細胞封入体症 妊娠初期にサイトメガロウイルスに初感染することにより、胎児に発生する症候群。 頭蓋内石灰化、肝脾腫および肝障害、黄疸、小頭症、精神運動発達遅滞、痙攣、網膜炎などの症状を起こす。 肝障害や小頭症などの症状は出生後も進行する場合があり、抗ウイルス薬ガンシクロビルの投与により症状の進行阻止を図る。 先天性トキソプラズマ症 先天性梅毒 胎児性アルコール症候群 妊娠中の極端な飲酒が原因。 まれに特異顔貌、精神運動発達遅滞などの症状を来たす。
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