留年の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 04:48 UTC 版)
「明治大学法学部大量留年事件」の記事における「留年の評価」の解説
新美教授は産経新聞社会部の取材に対し、例年と同じように採点した結果そのような事態に至ったのであり、「一番驚いたのは私です」と述べた。新美教授は不合格者が大量に出た原因について、「ほどほどに勉強する学生がガタッと減った」ためであり、その原因はバブル景気の影響により「就職戦線が超売り手市場になると、学生側に勉強しなくても何とかなるというムードが生まれた。それに、かつては会社側にも『優』信仰があったが、……頭数をそろえるほうが先で、成績を問われなくなった」ことであると分析している。さらに新美は根本的な要因として、質問を促しても質問しない、講義で話した内容をノートにまとめることができない、マンガや小説は持っていても講義で使用する専門書は持っていないなど、学生の質の変化を指摘している。 当時の法学部長小松俊雄は、この新美教授の行動について「単位認定権は個々の教授が持つものなので任せるしかないが、学生の授業への取り組み方に警鐘を鳴らしたのではないか」と述べている。 法学者の大内伸哉は新美教授を「教師の鑑」と評し、産経新聞社会部(編)『大学を問う 荒廃する現場からの報告』(新潮社)が紹介した、債権法の単位未履修により留年した学生が卒業へ向け勉学に励んだ姿について「これこそ望ましい大学教育のあり方」と述べている。 多摩大学の野田一夫学長(当時)は「まじめに講義して、自信を持って採点し、教育者として、良心的に判断されたのだろう。その結果が、日本の大学としてはイレギュラーだ、と騒ぎになった。ろくな講義もせず、でたらめな試験をして、良心の呵責もなく、どんどん卒業させて非難もされない。私は、今回の話を聞いて、『犬が人をかんでもニュースにはならない』という話を思った」とインタビューに応えている。
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