留意すべきこと
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/16 09:32 UTC 版)
上で述べた作用素 L と微分方程式 ∂ 2 ∂ x 2 f ( x ) = sin ( x ) {\displaystyle {\frac {\partial ^{2}}{\partial x^{2}}}f(x)=\sin(x)} を考える。この右辺 sin ( x ) {\displaystyle \sin(x)} と基本解 F ( x ) = 1 2 | x | {\displaystyle F(x)={\frac {1}{2}}|x|} の畳み込み f ( x ) = ∫ − ∞ ∞ 1 2 | x − y | sin ( y ) d y {\displaystyle f(x)=\int _{-\infty }^{\infty }{\frac {1}{2}}|x-y|\sin(y)dy} がこの方程式の解をあたえる。ここからわかることは、十分な正則性(例えば、コンパクトな台の存在や L 1 {\displaystyle L^{1}} -可積分性)を持たない函数も解として扱う場合にはいくらか注意を要するということである。実際、この方程式の(正則な)解として f ( x ) = − sin ( x ) {\displaystyle f(x)=-\sin(x)} を考えたほうが自然であるし、また上述の積分はすべての x に対して発散してしまう。にもかかわらず、f を表すこの二つの式は、シュヴァルツ超函数としては同じもなのである。
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