田村セツコとは? わかりやすく解説

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田村セツコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 09:40 UTC 版)

たむら せつこ
田村 セツコ
生年月日 (1938-02-04) 1938年2月4日(87歳)
出生地 東京府東京市目黒区
国籍 日本
学歴 東京都立八潮高等学校卒業
職業 イラストレーター
活動期間 1956年 -

田村 セツコ(たむら セツコ、1938年2月4日 - )は、日本のイラストレーターエッセイスト

1950年代後半よりイラストレーターとして仕事を始め、1960年代には「りぼん」「なかよし」などで少女向けのおしゃれページを多数手がける。1970年代にはキャラクターグッズが人気を博し、また、『若草物語』や『赤毛のアン』などの名作物語のイラストも手がける。サンリオ発行の「いちご新聞[1]の連載エッセイは創刊の1975年から現在も続いている[2][3]

略歴

1938年、東京府東京市(現在の東京都目黒区にて、警視庁警察官の長女として生まれる[4](妹2人、弟1人の4人きょうだい) [3]。1945年の終戦を疎開先の栃木県上都賀郡西方村(現・栃木市[5]で迎える。 

1953年、東京都立八潮高等学校に入学し、美術部に入部。1956年には松本かつぢに送った往復葉書が縁で弟子入りした[6]。高校卒業後安田信託銀行に入社し秘書課で働くも[4]、月に一度は松本宅に通い指導を受ける。同年8月、松本の紹介で「女学生の友」の読書投稿欄(銀の泉)にカットを描き、デビュー。1957年5月に安田信託銀行を退社した[7]。松本の知人の紹介で、猪熊弦一郎のスタジオにて絵の基本も学んだ[8][9]

1958年、「少女クラブ」の小説挿絵を急病の画家の代わりに描く。これ以降挿絵の依頼が増えた。1960年には、「りぼん」におしゃれページ(「こんにちはおじょうさん」)の連載を開始。1963年、初の装幀本となる『あしながおじさん』が刊行された。1965年、「なかよし」にもおしゃれページ(「ボンジュールおじょうさん」)を連載開始。1967年、「小説ジュニア」(集英社)、「ジュニア文芸」(小学館)のユーモア小説向け挿絵、おしゃれページを多数手がける。1969年頃より、イラストを用いたグッズの販売が増加(以降、コクヨ、リリック、サンリオセイカノートトンボクツワなど十数社より発売)。これらは、セツコグッズとも呼ばれた。

1971年、ギフト・ブックと呼ばれる詩画集『愛の花束』(サンリオ山梨シルクセンター出版部)刊行。(のち『幸福の花束』『風の花束』も刊行)1975年に「いちご新聞」(サンリオ)創刊。イラストエッセイの連載を開始し、現在も続く。

1979年ハウス食品の春のデザートキャンペーンに「HAPPYおばさん」が採用される。1982年、『おちゃめなふたご』シリーズ(ポプラ社)刊行。装幀と挿絵を担当した。以降、ポプラ社の名作絵本シリーズの装幀・挿絵を多数手がける。

1992年に個展を開催。これ以降、個展はほぼ毎年開催されている。2003年に「田村セツコ&水森亜土展」(弥生美術館[10]、2012年には「田村セツコ展」(弥生美術館)[11]、2019年には「田村セツコのHAPPYがいっぱい!」(とちぎ蔵の街美術館[5]が開催される。2023年1月には弥生美術館にて「田村セツコ展 85歳、少女を描き続ける永遠の少女」、9月に東武百貨店池袋店にて「田村セツコ 85歳のHappy Surprise!出版記念 『田村セツコ おちゃめな世界展』」と精力的に開催している。

人物

  • 少女時代の愛読書は「ジュニアそれいゆ」(中原淳一編集)だった。「ジュニアそれいゆ」休刊の年に「りぼん」のおしゃれぺーじ(こんにちはおじょうさん)の連載を開始[2]
  • 近年はコラージュ技法を用いた作品も数多く手がける[3]
  • 未婚[12]。60代後半の頃より自宅で母と妹を介護した経験がある[13]

作品

漫画

挿絵

カバーイラスト

著書

  • 『愛の花束』(1971年、サンリオ出版)
  • 『風の花束』(1977年9月、サンリオ)
  • 『となりのリブちゃん』(1978年7月、立風書房)
  • 『あした愛をください おしゃべりノート』(1978年、立風書房)
  • 『少女時代によろしく』(2003年4月、河出書房新社ISBN 978-4309727240
  • 『ジェルソミーナ』(2003年、トムズボックス
  • 『恋の魔法』(2004年7月、ポプラ社) ISBN 978-4591082089 ※ポストカード集
  • 『とりとめのない日々』(2008年、トムズボックス)
  • 『田村セツコ HAPPYをつむぐイラストレーター』(2012年10月11日、河出書房新社、編:内田静枝) ISBN 978-4309727974
  • 『すてきなおばあさんのスタイルブック』(2013年3月、WAVE出版ISBN 978-4872906097
  • 『おちゃめな老後』(2013年10月、WAVE出版) ISBN 978-4872906455
  • 『おちゃめな生活 あなたの魔法力を磨く法』(2016年1月、河出書房新社) ISBN 978-4309024431
    • 『あなたの魔法力を磨く法 おちゃめな生活』(2020年1月、河出書房新社) ISBN 978-4309028545 ※増補新装版
  • 『大橋鎭子さんが教えてくれた「ていねいな暮らし」』(2016年4月、洋泉社) ISBN 978-4800309181 ※坂東眞理子、こぐれひでこ、石黒智子らとの共作
  • 『カワイイおばあさんの「ひらめきノート」』(2016年8月、洋泉社) ISBN 978-4800310132
  • 『おしやれなおばあさんになる本』(2017年2月、興陽館) ISBN 978-4877232078
  • 『孤独をたのしむ本 100のわたしの方法』(2018年5月、興陽館) ISBN 978-4877232269
  • 『HAPPYおばさんのしあわせな暮らし方』(2019年11月、興陽館) ISBN 978-4877232450
  • 『おちゃめ力宣言します!』(2020年5月、河出書房新社) ISBN 978-4309028842
  • 『孤独ぎらいのひとり好き』(2020年8月、興陽館) ISBN 978-4877232603
  • 『あなたにあえてよかった』(2022年3月、興陽館) ISBN 978-4877232856※A5版
  • 『人生はごちそう』(2022年4月、あさ出版) ISBN 978-4866672267
  • 『白髪の国のアリス 田村セツコ式 紙とえんぴつ 健康法』(2022年8月、集英社) ISBN 978-4087817188
  • 『85歳のひとり暮らし ありあわせがたのしい工夫生活』(2023年2月、興陽館) ISBN 978-4877233051
  • 『田村セツコ 85歳のHappy Surprise!』(2023年9月、小学館) ISBN 978-4099420314

ギフト・ブック

  • 『ひとりぽっち』(1970年、サンリオ山梨シルクセンター出版部)
  • 『愛の花束』(1971年、サンリオ山梨シルクセンター出版部). NCID BA89275498 
  • 『幸福の花束』(1975年、サンリオ山梨シルクセンター出版部)
  • 『風の花束』(1977年、サンリオ山梨シルクセンター出版部)

テレビ

脚注

  1. ^ かつては同社の「月刊いちごえほん」にも寄稿していた。
  2. ^ a b 『少女時代によろしく』
  3. ^ a b c 『田村セツコ HAPPYをつむぐイラストレーター』
  4. ^ a b 「一人の女性を励ましたい」~「カワイイ」系少女挿絵の矜持──イラストレーター田村セツコさん: 次世代価値コンソーシアム「NVC特集」
  5. ^ a b 特別企画展「田村セツコのHAPPYがいっぱい!」”. 栃木市ホームページ (2019年3月26日). 2019年4月21日閲覧。
  6. ^ 町田市ゆかりの美術家たち 田村セツコ - 和光大学
  7. ^ 「現代日本人名録 94」(日外アソシエーツ
  8. ^ ライフストーリー 田村セツコさん(83歳・女性) Husime.com
  9. ^ ネクストストーリー 弥生美術館 「田村セツコ展 85 歳、少女を描き続ける永遠の少女」個展インタビュー Husime.com
  10. ^ 『田村セツコ&水森亜土展』 弥生美術館、2003年
  11. ^ 根津・弥生美術館で「田村セツコ展」-原画や希少グッズなど400点 - 上野経済新聞、2012年10月5日
  12. ^ 田村セツコ「結婚より仕事を選んだ人生に『まあまあ満足している』。〈貧乏絵描きの孤独な暮らし〉に憧れて」”. 婦人公論.jp. 中央公論新社 (2023年9月25日). 2023年10月11日閲覧。
  13. ^ 田村セツコ「70歳で、91歳の母とパーキンソン病の妹、3人での暮らしを決意。約6年の老老介護では、疲れを感じなかった。最期に、自分のお葬式はしないでほしい」”. 婦人公論.jp. 中央公論新社 (2023年9月25日). 2023年10月11日閲覧。
  14. ^ 田村セツコのドーナツ 初回放送日:2023年9月18日”. グレーテルのかまど. NHK (2023年9月18日). 2024年10月2日閲覧。

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