生命の起源説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/13 09:09 UTC 版)
詳細は「生命の起源」を参照 コアセルベートは分裂・融合・周囲の物質の吸収などを起こす性質がある。また界面によって外界と自己(コロイド)を隔て、内部で取り込んだ物質の化学反応を起こしえる。さらに、ポリペプチドや糖類はコロイド溶液となりえることから、コアセルベートは細胞または生命の起源に関連しているという説が存在している。特に、この分野を科学的に最初に詳しく論じたソ連の生化学者アレクサンドル・オパーリンが生命発生の元になる姿のモデルとしてこれを取り上げたことで注目された。 チャールズ・ダーウィンは、現在の生命は共通祖先に由来すると提唱する中で、生命の系統樹が単純なものだとすれば、はるかにさかのぼったときすべての生命はただ一つの共通祖先(ur-organism)にたどりつき、それは非常に単純で原始的なものであろうという可能性について触れていた。ここで起こる疑問は、その最初の生き物はどこからきたのか、ということである。 最初の「ur-organism」がどのようにして非生物の有機物から生まれてきたかを説明するためにコアセルベートを考えたのがオパーリンであった。彼は、天然物質に太陽光(特に紫外線)が無酸素下に照射されることによって有機化合物が生成し、ときどきより大きな分子へと再結合し、それがコロイド、ひいてはコアセルベートの生成に結びついたのだろうと考えた。一見、コアセルベートは生きた細胞にも似ていることから、オパーリンはそれらが最終的に単純な生命となりえるまで複雑化したと考えた。 この説は、最初の生命の形成に関する現在の説にもなんとなく似てはいるが、コアセルベートが直接最初の細胞となったとは、もはや考えられていない。現在の説では、無生物から細胞に至る前にはもっと多くの段階を通過してきたと考えられているからである。[要出典]
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