理論的基礎付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 03:54 UTC 版)
「貿易における重力モデル」の記事における「理論的基礎付け」の解説
重力モデルは実証的には成功を収めているが、理論的な正当化は論議がなされている。 重力モデルの理論的基礎付けを考えた初期の論文では、一般均衡モデルを用いて価格(物価水準と為替レート)が組み込まれた重力モデルを導出している。そして、価格が重力モデルの推定式の右辺から欠落すると、省略変数バイアスが生じることを示している。 アラン・ディアドーフは、ヘクシャー=オーリン・モデルから重力モデルを導出している。この論文では2つのケースを考えている。第1に、貿易コストが存在せず、国家間で選好が等しく効用関数がホモセティックである場合、消費者はどの国から購入しても同じ効用を得るから、導出される貿易フローのパターンは重力モデルが予測するものと似通ったものになる。第2に、効用関数がコブ=ダグラス型あるいはCES型で完全特化があり得るヘクシャー=オーリン・モデルの場合は、距離が拡大するにつれて貿易が減少する重力モデルが導出できる。 ジェームズ・アンダーソンとエリック・ヴァンウィンクープは、財が存在して消費者がそれを消費するだけという要素賦存経済 (endowment economy) のモデルから、理論的に重力モデルを導出している。 ジョナサン・イートンとサミュエル・コータムは、リカード・モデルから重力モデルを導出している。 トーマス・チャネイやエルハナン・ヘルプマン(英語版)らは、異質的企業の貿易モデルから重力モデルを導出している。
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