現象学・解釈学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 00:17 UTC 版)
現象学のフランスへの導入も実存主義の時代を準備した。戦前にサルトルはレヴィナスの著作を通じて現象学を学んだ。現象学は、サルトル、メルロ=ポンティに影響を与えたが、二人が誰のどの時期のどの著作を読んで影響を受けたのかが両者の存在論の違いを生んだ。メルロ=ポンティは、フッサールの未完成稿を含めた後期思想を読んでいた。 フッサールの著作のうち『デカルト的省察』は刊行後すぐにレヴィナスらによってフランス語訳された。戦後にはリクールが『イデーン』を仏訳した。実存主義、構造主義の各思想に現象学は広く影響を及ぼし、現象学と関わりの強い思想家にはサルトル、メルロ=ポンティ、レヴィナス、リクール、ミシェル・アンリ、ジャン・フランソワ・リオタール、ジャック・デリダなどがいる。また現象学は解釈学と密接でありフランス解釈学の主導的人物はリクールである。その後20世紀終盤に現象学を神学と結び付ける潮流が目立つようになり、「フランス現象学の神学的転回」と呼ばれ賛否両論がある。神学的転回に属するとされる思想家にはレヴィナス、アンリ、ジャン・リュック・マリオン等が挙げられる。
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