現代の航空母艦一覧とは? わかりやすく解説

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現代の航空母艦一覧

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/07 07:31 UTC 版)

世界の航空母艦(2024年時点)
左上から右へ 左下から右へ

このリストは、2024年時点での世界各国の就役または建造・計画中の航空母艦及び強襲揚陸艦について記述する。

ヘリ搭載駆逐艦ドック型揚陸艦など、航空機搭載が可能であるが、運用に特化していない艦種についてはここに記載していない。

運用中

アメリカ合衆国

「ニミッツ級」(上)と「ジェラルド・R・フォード級」(下)
改造空母、通常空母、軽空母、護衛空母など一通りの空母を多数運用した後、運用空母を超大型空母に統一。さらにエンタープライズ級で世界初の原子力空母を実用化し、2025年時点で原子力空母11隻を運用。今後ニミッツ級をフォード級に順次置き換えていく予定である。
原子力機関を搭載するため建造・維持・運用に莫大なコストを要求されるが、1隻で中小国の空軍以上の攻撃力を持つといわれる。
「ワスプ級」
「アメリカ級フライト0」
エセックス級空母を強襲揚陸艦に艦種変更して運用し、新造のイオー・ジマ級ハリアーを運用して以降、強襲揚陸艦にはSTOVL機の運用能力が付加されており、必要に応じて軽空母任務を対応可能である。F-35Bへの対応改修が進められている。

イギリス

「クイーン・エリザベス級」
第二次世界大戦期に多数の空母を建造し、フランスやオランダ、オーストラリア、カナダ、インド、ブラジル、アルゼンチンへ空母輸出を行った。戦後も各種改装を行い通常空母を運用していたが、それらは財政難により維持するのは不可能となり、STOVL空母やヘリコプター揚陸艦で対応した。
2017年にF-35Bを搭載する大型STOVL空母クイーン・エリザベス級を就役させ、2隻を運用。ドローン搭載による部分的なCATOBAR空母化が検討されている。

イタリア

「カヴール」
ヘリコプター巡洋艦を経て、建造したSTOVL空母建造。多任務能力が盛り込まれており、強襲揚陸任務にも対応。2025年時点で1隻を運用しており、次期空母では原子力空母化を検討中。
「トリエステ」
空母から艦種変更したジュゼッペ・ガリバルディを強襲揚陸艦として運用し、その後継として軽空母としても運用可能なトリエステが就役。
ほか全通甲板を有するサン・ジョルジョ級(準同型艦サン・ジュストを含む)を3隻運用。準同型艦としてアルジェリアの「カラート・ベニ・アッベス」とカタールの「アル・フルク」を輸出している。

イラン

2011年、戦闘機とヘリコプターを搭載した空母の建造が報じられた。
アメリカのニミッツ級を模したモックアップ(実物の約3分の2のサイズで、艦番68とマーキング)を製作、演習で使用した[注 3]
イスラム革命防衛隊が2020年11月、イラン海軍が2021年1月にそれぞれ商船改造空母を就役させた。

イスラム革命防衛隊

「シャヒド・ルーダキ」
「シャヒド・マーダヴィ」

イラン海軍

「マカラン」

インド

「ヴィクラント」(手前)と「ヴィクラマーディティヤ」(奥)
イギリスより空母を購入、後にハリアーを搭載するSTOVL空母に改装して運用。その後継としてロシアのSTOVL空母キエフ級MiG-29Kを搭載するSTOBAR空母に改装して購入・運用中。
次いで国産STOBAR空母を就役させ、さらに1隻の調達を計画中。CATOBAR空母・原子力空母建造も模索している。

インドネシア

イタリアより退役した強襲揚陸艦ジュゼッペ・ガリバルディを購入し、ドローン空母への改造を計画中。

エジプト

「ガマール・アブドゥル・ナセル」
ロシアへの引き渡し阻止されたミストラル級強襲揚陸艦2隻をフランスより購入して運用中。

オーストラリア

「キャンベラ級」
イギリスより購入・運用した空母の代替として、スペインから強襲揚陸艦フアン・カルロス1世の準同型艦2隻を購入・運用している。
固定翼機の搭載は可能だが、コスト面から機体の導入は考えられていない。

スペイン

「フアン・カルロス1世」
アメリカより空母を購入して運用後に国産STOVL空母を建造、タイへの準同型艦の販売も行った。2025年時点で軽空母運用可能な強襲揚陸艦1隻を運用、準同型艦をオーストラリアとトルコに輸出。
F-35Bを導入しないため、ハリアーの退役にともない通常空母への切り替えを検討している。

タイ

「チャクリ・ナルエベト」
スペインより購入したSTOVL空母1隻保有。航空機のハリアーは運用停止中のため、ヘリ空母として運用されている。

韓国

独島級
空母保有を検討しており、2007年に強襲揚陸艦を1隻就役させ、2隻を運用中である。
有人機空母CVX建造を断念し、ドローン空母の建造検討している。
  • 独島級 - 2隻
  • 多目的無人機指揮艦 - 検討中

中国

「遼寧」
「山東」
「福建」
スクラップとしてオーストラリアやロシア、ウクライナから空母を4隻購入。
ウクライナより購入した未成艦1隻を完成させ、2012年にSTOBAR空母を就役させた。続いて国産STOBAR空母を2019年に就役させ、国産CATOBAR空母を2025年に就役させ。さらに発展型の004型原子力空母が艤装中。
「075型」
「076型」
2021年に初の強襲揚陸艦を075型を就役させ、4隻を運用中。さらに発展型の076型が艤装中。
また、数タイプの小型のドローン空母建造が確認されている。
  • 搏鲨1号英語版 - 2隻
  • 100メートル級双胴空母 - 1隻艤装中
  • 中船探索01 - 1隻試験中

トルコ

「アナドル」
スペインの強襲揚陸艦フアン・カルロス1世の準同型艦を建造。2023年4月10日に就役。
当初搭載を予定していたF-35BがS-400導入への制裁で入手不可能となり、運用機を国産のヒュルジェット ドローンへ変更、就役時には甲板上に「クズルエルマ」や「バイラクタル TB3」が駐機された。
アナドル級2番艦に代わり、国産STOBAR空母の建造を計画している。

日本

「ひゅうが型」
「いずも型」
海上自衛隊の航空母艦建造構想も参照。
対潜ヘリコプター護衛艦(DDH)の代替として、ヘリ空母4隻が就役している。
2019年に42機のF-35B導入を防衛省が発表、いずも型2隻に対応改装を施すことが決定。2021年に一次改装後のいずもでF-35B発着艦。2023年には1次改装で艦首形状の変更されたかがが公開。2024年にはかがをアメリカのサンディエゴに派遣し、米軍のF-35Bを使用して必要諸元収集を行った。
航空機搭載能力はないが、ほぼ全通飛行甲板をもつおおすみ型3隻を保有しており、後継として強襲揚陸艦の導入の調査や視察が行われているが、建造に向けた具体的な動きはまだない。

ブラジル

「アトランティコ」
イギリスとフランスから購入した空母を運用しており、代替として2018年7月にイギリスから退役したヘリ空母を購入、2020年に多目的ヘリ空母(有人固定翼機の運用は想定されていないが、ドローンの導入を計画していることを反映)として就役させた。

フランス

「シャルル・ド・ゴール」
「新世代航空母艦(PANG)」
アメリカやイギリスから空母購入後、国産空母を建造。アメリカ以外で唯一原子力空母を運用しており、空母2隻体制を目標としているが財政難や仕様のミスマッチで中止となり、導入は進んでいない。2038年頃に後継空母を導入する見込みである。
核戦略を中心としており、空母と艦載機ともに戦術核兵器の搭載・運用能力を維持している。
「ミストラル級」
全通飛行甲板を採用した強襲揚陸艦を3隻保有。他国への準同型艦の販売も行っている。

ポルトガル

2023年に飛行甲板を持つ多目的艦建造をオランダのダーメンに発注。
  • 多機能海軍プラットフォーム(PNM)- 建造中

ロシア

「アドミラル・クズネツォフ」
ソビエト連邦の崩壊まではV/STOL、STOBAR、原子力空母の建造を進めていたが、1隻を除き、退役又は建造破棄されている。2007年頃から空母の活動を再開させ、2018年4月より近代化改装中である。
2005年頃より、新空母の導入について報道がされるようになり、新空母設計が公開されている。
「プロジェクト23900」
強襲揚陸艦の調達を決定。フランスの強襲揚陸艦を購入して2隻が建造されたが、2014年ウクライナ騒乱により引き渡されなかった。このため、国内で強襲揚陸艦2隻を建造中。
  • イヴァン・ロゴフ級 - 2隻建造中

脚注

注釈

  1. ^ 2025年ではCVN-74が炉心交換作業(RCOH)中、CVN-75が2026年からのRCOH準備中、CVN-76がRCOH順番待ちのためアメリカで待機
  2. ^ 8隻建造されたが、1隻が近代化改修工事中の火災により廃艦
  3. ^ 2015年2月25日に行われた演習「偉大な予言者9」で攻撃目標に使われた。演習後はバンダレ・アッバース付近に係留されて修理を受けたが、2020年7月の2度目の演習後に沈没、漂流後に部分的に解体されて防波堤となっている。
  4. ^ RORO船を改造。全長150m、幅22m、排水量1万2000トン
  5. ^ 排水量はシャヒド・ルーダキの3倍、ヘリ空母として完成した姉妹艦シャヒド・マーダヴィと異なり、スキージャンプと滑走路が設定されており、固定翼ドローンを運用する
  6. ^ 日本製のタンカーを改造。全長228m、幅42m、排水量12万トン

出典

関連項目




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