現代の楽器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 22:53 UTC 版)
「鍵盤付きグロッケンシュピール」の記事における「現代の楽器」の解説
シュトゥットガルトの楽器メーカーであるシードマイヤー社は、3オクターヴ半/52C-95Gの音域で製作していた。この楽器は、チェレスタ同様、鉄板にある程度の横幅が必要で、共鳴箱も設置する必要性から、鍵盤の幅に合わせてピアノの弦のように発音部を横に並べることができず、発音部を何段かに分けて設置する必要性があった。そのため、数段に分けられたハンマーに鍵盤の動作を伝える必要があり、パイプ・オルガンのトラッカーやローラー・ボードの仕組みを応用した機構となっていた。しかし、この仕組みでは敏速な動作を正確にハンマーに伝えることは無理であり、長い間表現の効かない不自由な楽器であった。 ヤマハは1999年に4オクターヴ/45F-93Fの音域を持つ楽器を制作し、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるザルツブルク音楽祭での演奏で活用され、瞬く間に世界のオーケストラから注文が殺到するようになった。ヤマハはチェレスタと共に、この楽器をより楽器としての性能を上げるべく改良し、トラッカーやローラー・ボードの機構を廃止し、発音部を真横に並べられるようにした。また、従来の楽器はハンマーが上から下へ叩き下ろす形であったが、グランド・ピアノの機構を起用し、下から上へと叩き上げる形にした。このことによって、表現力が格段に上がり、強弱が広くつけられ、困難な楽句もピアノ同様に演奏できるようになった。ハンマー部は、最初は真鍮も使用していたが、現在は奈良公園の鹿の角を加工して、現在入手できない象牙の代用としている。2005年には4オクターヴ半/40C-95Gの音域を持つ楽器を発表し、2008年には、さらに安価な新しい型の楽器を発表し、市場に送り出している。 現在、製造しているメーカーはこの二社しかない。
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