他の管楽器との比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 15:10 UTC 版)
楽器として見た「篠笛」は横笛の一種であり、洋楽器のフルート属とよく似ている。音階や運指などに違いはあるが、原理的には「フルート」の管を竹にして「キー装置」を取り去り、音孔の数を人間の指の数に合わせ、押さえやすい長さにしたものと考えてよい。(写真2) 【写真2】上からコンサートフルート(C)、尺八(一尺八寸、D、木管7孔)、七孔・唄用篠笛(上から三本調子G、六本調子Bb、八本調子C)、六孔・囃子用篠笛(六本調子)、ソプラノリコーダー(C)、ピッコロ(D)。カッコ内は最低音または基準音。唄用篠笛の基準音は最低音(筒音)ではなく、第一孔を開けた音である。 元来、西洋のフルートも篠笛のような素朴な姿をしていたが、近代的改良を経て現在のような金属製の管にキー装置を備えたものとなっている。篠笛は、最も素朴な原形を残している横笛の一つであり、現代の楽器としても大変興味深い。 写真のとおり、篠笛はコンサートフルートとピッコロの中間の長さであり、音域もコンサートフルートとピッコロの間に位置するものが大半である。 Cを基準音とする八本調子唄用篠笛の歌口から第一孔までの長さと、C管リコーダーの発音部エッジから管端までの長さがほぼ等しい(28-29cm)。(「共鳴管の長さ」が等しいので、同じ高さの音が鳴る。)コンサートフルート(オクターブ下のCが基本音)の歌口から脚部管先端までの長さ(60cm前後)の約半分なので、コンサートフルートの1オクターブ上の音が鳴るのである。(共鳴管の長さが半分になると、1オクターブ上の音が鳴る。) 参考までに、ピッコロ(D)の共鳴管の長さは約26.5cmであり、尺八(一尺八寸、D)の共鳴管の長さ(約54cm)の半分に近い。この関係も興味深いところである。なお、尺八は縦笛であるから、共鳴管の長さは管の上端(正確には歌口の鋭いエッジ)から下端(管尻)までと考える。
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