現代の徳倫理学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 05:15 UTC 版)
近世・近代の啓蒙的な哲学者の中には徳を強調し続ける者(たとえばデイヴィッド・ヒューム)もいたが、しだいに徳倫理学は西洋哲学の端へと追いやられてしまった。現代の復活は、哲学者G. E. M.アンスコムによる1958年の論文「近代の道徳哲学」とフィリッパ・フットが1978年に出版した論文集『美徳と悪徳』だとしばしば言われている。1980年代から『美徳なき時代』などで、哲学者アラスデア・マッキンタイアが、近代・ポストモダン思想と向き合いながら、徳に基づいた倫理学の再構築に取り組んできた。最近では、ロザリンド・ハーストハウスが『徳倫理学について』を出版し、ロジャー・クリスプとマイケル・スロートが『徳倫理学』という題で重要な論文を集めて編集している。加藤尚武は『徳倫理学基本論文集』の中で以下のように述べている:「徳はどこでどのようにして生産されるか。またその生産システムはどのようにして世代間に維持されるか。その答えは、言葉によってどこまで表現できるか。この問いに答えることが、徳倫理学のゆく手に見える課題である。」
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