猫も杓子も
「猫も杓子も」とは、大勢の人や物がみな一様に同じか似たようなことをする、皆が皆そのようである、という意味で用いられる言い回しである。必ずしもネガティブな表現というわけではないが、揶揄・からかいのニュアンスを含みがちではある。
「猫も杓子も」の読み方
「猫も杓子も」の読み方は「ねこもしゃくしも」でもある。「杓子」は飯などをよそう道具のことであり、「しゃもじ(杓文字)」のことである。(「しゃもじ」という言葉は「かもじ」「お目もじ」と同様の変化法則によって「杓子」から転じた女房言葉である)
「猫も杓子も」の語源・由来
「猫も杓子も」の正確な語源・由来は今ひとつ定かでない。江戸時代に成立した一休宗純(いわゆる一休さん)に関する咄本「一休咄」の中に「生まれては死ぬるなりけりおしなべて釈迦も達磨も猫も杓子も」というくだりがあり、これが典拠として引き合いに出されることが多い。
しかし「一休咄」に登場する「釈迦も達磨も猫も杓子も」は何に由来するのか、結局のところ語源は何なのか、という部分は謎のままである。
「猫も杓子も」は元々は他の言葉であった(変化して「猫も杓子も」になった)という見解は複数ある。たとえば「禰子も釈氏も」が変化したという説、「女子も弱子も(めこもじゃくしも)」が変化したという説などがある。あるいは、単に日常生活におけるありふれたものとして猫と杓文字が例示されているだけでは、とする見解もある。
結局のところ、いずれの説も俗解(民間語源)の疑いを免れていない。
「ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。」とは
「ネコメンタリー 猫も、杓子(しゃくし)も。」は、NHK(Eテレ)で放送されている、作家とその飼い猫の日常を記録したドキュメンタリー番組の名称である。単に「ネコメンタリー」呼ばれることが多い。猫も杓子も
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/07 08:09 UTC 版)
猫も杓子も(ねこもしゃくしも)は、江戸時代の日本からのことわざ。
概要
この言葉は、だれもかれもや、何もかもということを意味する。大勢の人や物が一様に同じことをするということを意味する場合にも用いられる。この言葉は、肯定的な意味としても、否定的な意味としても用いられる。この言葉に含まれている杓子というのはしゃもじのことである[1]。
歴史
このことわざ一休宗純による言葉からであった[2]。この言葉が著書で最初に用いられたのは、1668年の『一休咄』という咄本である。ここでは生まれて死ぬというのは釈迦も達磨も猫も杓子も皆等しく起きることであるということが述べられている[3]。
曲亭馬琴の説によると、この言葉というのは元は「禰子も釈氏も」としていたのであるが猫も杓子もに変化したとのことである。禰子とは神主で、釈氏とは僧侶のことである[3]。
落語の作品に『横丁の隠居』というものがあり、ここに女子も弱子もという女も子供もということを意味する言葉が出てきており、これが猫も杓子もという言葉に変化したという説がある[3]。
脚注
- ^ “「猫も杓子も」とは?|詳しい意味や読み方、由来、使い方などを紹介”. Domani (2023年12月26日). 2024年12月25日閲覧。
- ^ “仏教と私 ~釈迦も達磨も猫も杓子も~|「800字文学館」|作品の閲覧|企業OBペンクラブ”. www.obpen.com. 2024年12月25日閲覧。
- ^ a b c 日本国語大辞典,ことわざを知る辞典, デジタル大辞泉,精選版. “猫も杓子も(ネコモシャクシモ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年12月25日閲覧。
「猫も杓子も」の例文・使い方・用例・文例
猫も杓子もと同じ種類の言葉
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