猪木アリ状態の打開
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/07 09:47 UTC 版)
上側の選手のもっとも基本的で簡単な打開法は、寝技で密着し、パスガードすることである。問題は上側の選手が寝技が不得意などの理由で密着しない場合である。寝技を用いない打開方法としては以下のものが挙げられる。 ブラジルのブラジリアン柔術のルイス・ペデネイラス、シュートボクセ・アカデミーに所属するヴァンダレイ・シウバやマウリシオ・ショーグンは、相手の足を大きく飛び越えて寝ている相手の上半身を踏みつけたり、相手の顔面をキックする戦法で密着せずに打開した(ただしこの戦法は、寝ている選手の頭部にキックが許されるルールでのみ可能である)。 レオナルド・ヴィエイラは1997年の世界柔術選手権において側転によりパスガードし、打開した。 桜庭和志は、ホイス・グレイシー戦などで強烈なローキックで相手の足にダメージを蓄積させる戦法を取った。しかし、浮かしている脚に蹴りでダメージを与えるのは難しく、また、すぐにブレイクが宣言されるため、この戦法は牽制くらいにしかならなくなった。また桜庭は相手の足を抱え水平方向に回し、相手の背中へ摩擦熱によるダメージを与える技「炎のコマ」を見せたこともある。船木誠勝がヒクソン・グレイシーとの試合で桜庭と同様、ローキックで脚部にダメージを与える戦法を取っている。しかしヒクソンは蹴りの戻り際に軸足が無防備になるという欠点を見抜いており、船木は膝頭をかかとで思い切り蹴られ「膝の中で骨や靭帯がグニョグニョするのが判る」というほど致命的なダメージを負った。 マウリシオ・ショーグンは、腰を瞬時にスイッチさせパウンドを放つ、という戦法でアリスター・オーフレイムを一撃で失神させ打開した。打撃の正確さと瞬発力が要求されるがリスクは比較的少なく、パウンドが認められているルールではポピュラーな戦法である。 下側の選手の打開法としては、ヘンゾ・グレイシーがオレッグ・タクタロフをノックアウトしたハイキックなどがある。
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