狭軌と広軌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 15:12 UTC 版)
実物における、世界的な標準の軌間は標準軌と呼ばれる1,435 mmであり、模型におけるスタンダードゲージも標準軌を基準に定められた。しかし標準軌よりも狭い狭軌や、逆に広い広軌で建設された鉄道もあり、これらを模型化する際は縮尺を揃えて実物よりも相対的な軌間が広い、あるいは狭いことを容認したり、相対的に軌間が正しい広さに近づくように縮尺を変えたりしてきた。しかしこれらの手法ではプロポーションが実物と異なってしまったり、それぞれの模型で人形や建物が流用できない問題を抱えていた。 そこで、より「正しい」軌間で模型化する、あるいは既製品で「正しい」軌間に近い他スケールの軌間を流用して模型化するといった手法が生まれた。アメリカでは前者が主流で、NRMA規格には軌間10.5 mmで実物の3フィートゲージ(914 mm)を模型化するHOn3、軌間7 mmで実物の2フィートゲージ(610 mm)を模型化するHOn2がある。ヨーロッパでは後者が主流で、NEM規格にはある範囲で実物の軌間を区分けして、それぞれTT、N、Zのスタンダードゲージの線路を使うHOm、HOe、HOiがある。 日本においては、(国鉄は世界的に見れば狭軌であるため)HOの国鉄型車両を軌間13 mmに改軌する愛好家が1950年代からおり、これは縮尺1/80・軌間13 mmの13 mmゲージとして現在も一部メーカーから発売されている。また「HOゲージは1/87が正であり1/80はHOではない」と主張する一派が1980年代に縮尺1/87・軌間12 mmの12 mmゲージを興し、少数ではあるものの製品化されている。またその一環で、狭軌車両と同じように1/80で製作されてきた標準軌の車両も縮尺1/87・軌間16.5 mmでの製品化が見られるようになった。
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