狭衣物語の本文
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 10:11 UTC 版)
前述の通り、本写本の『竹河』巻には狭衣物語第二巻の本文が混入しているが、どのようないきさつで源氏物語の写本に狭衣物語の本文が混入したのかは不明である。この竹河巻は鎌倉時代の書写と見られるもので、ここに混入している狭衣物語第二巻の本文は、三谷栄一がさまざまな写本を分類した上で命名した「第二系統本」と呼ばれる系統に属している。この「第二系統本」の本文は全般的に記述が簡略であることを特徴としている。本写本の『竹河』巻は狭衣物語の「第二系統本」の本文を伝える写本として「九条家旧蔵本=大島本」や「伝民部卿本」などと並ぶ写本とされ、現在の校本にも「平瀬本」として採用されている。但しこの平瀬本は全体としては「第二系統本」に属するものの、中間部分に古活字本にみられる本文である「第三系統本」の本文を含んでいる「第二系統本」としても特異なものであるとされている。
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