牽引車への改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/04 00:38 UTC 版)
東京圏の通勤線区から、17m車が撤退するのにともない、車両基地内での入換えや本線上での試運転や回送に使用するため、牽引車に改造したものである。この頃には、新性能電車が各区に配置されるようになっており、電動車は運転台のないのが基本であり、また、制御車は動力を持たない付随車であることが多いなど、これら新性能車用の牽引車が求められていたものである。クモハ50形からは3両がクモヤ22形に改造され、他系列からの改造車と区別され、22150から付番されている。 最初に改造されたのは、大井工場で使用されていたクモハ11475で、1961年1月にクモヤ22150となった。後位に運転台を増設したが、こちら側は全室式の非貫通型である。また、新性能電車用の制御機器は増設側にのみ設置されており、増設側が先頭となる場合には新性能車用の制御車として、既設側が先頭となる場合には旧性能車用の制御電動車となる構造である。 クモヤ22151, 22152は、1963年3月に吹田工場でクモハ11472, 11468を改造したもので、運転台を後位に増設したほか、両側とも非貫通型としている。前面は全面的に張替えられ、ノーシル・ノーヘッダーにHゴム支持の3枚連続窓となった。22150と異なり、両側の運転台に新性能車用、旧性能車用の主幹制御器とブレーキ弁を両方装備している。なお、22152は、クモハ11形時代からガーランド形通風器とグローブ形通風器を併設していた変型車で、改造後もその特徴を残しており、のちにガーランド形通風器を撤去して屋根上の通風器はグローブ形2個となった。 1970年(昭和45年)1月には、車両基地で牽引車代用として使用されていたクモニ13形3両が、正式に事業用車(クモヤ22形)に編入、改番された。これらは、外観、性能ともにクモニ13形時代のままで、被牽引車も旧性能車に限られている。番号の新旧対照は次のとおり。 クモニ13024, 13034, 13036 → クモヤ22201 - 22203
※この「牽引車への改造」の解説は、「国鉄50系電車」の解説の一部です。
「牽引車への改造」を含む「国鉄50系電車」の記事については、「国鉄50系電車」の概要を参照ください。
- 牽引車への改造のページへのリンク