無線電信の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/21 04:48 UTC 版)
初期の無線送信機は、音声を送信するための変調ができなかったため、CW無線電信が唯一の通信手段であった。音声伝送(無線電話)が完成してから何年も経った今でも、CWは無線通信の有効な手段であり続けている。それは、シンプルで堅牢な送信機を使用できることと、CWの信号が干渉を透過する最も単純な変調方式であることによる。また、信号の帯域幅が狭いため、受信機に選択性の高いフィルタを使用することができ、信号の明瞭度を低下させるノイズの大部分を遮断することができる。 連続波無線は、有線電信と同じように単純なスイッチでモールス信号を送信することから、無線電信と呼ばれていた。しかし、スイッチは電線の電気を制御するのではなく、無線機に送る電力を制御するものであった。この方式は今でもアマチュア無線家がよく使っている。 軍用通信やアマチュア無線では、「CW」という言葉は「モールス信号」とほぼ同じ意味で使われていることが多い。モールス信号は、無線信号以外にも、電線の直流電流、音、光などを利用して送ることができる。電波の場合は、コードの要素である短点と長点を表現するために、搬送波をキーイングしてオン・オフする。搬送波の振幅と周波数は、各コード要素の間、一定である。受信機では、受信した信号とBFO(うなり発振器)からのヘテロダイン信号を混合して、無線周波数の入力信号を音に変えている。現在ではほとんどの商業通信でモールス信号は使用されていないが、アマチュア無線家の間では広く使用されている。航空管制用の無指向性無線標識(NDB)や超短波全方向式無線標識(VOR)では、識別子の送信にモールス信号が使われている。
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