無次元数を用いた解析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/31 13:41 UTC 版)
流体機械の性能には機械の寸法、形状はもちろんのこと、作動流体の密度、粘度、圧縮性や、羽根車の回転数など運転条件によっても変化し、そこには多数の物理量が影響している。そのため解析をそのまま行うことは困難である。そこでパラメータを減らすために、流体力学の他の分野でも行われるように、相似則や次元解析といった手法を用いる。 ターボ型の場合、羽根車の直径D [m]、回転数n [s-1]、作動流体の密度ρ[kg/m3]を基準値として用い他の物理量を無次元化(正規化)する。 流量Q [m3/s]は羽根車直径D の3乗と回転数n に比例するので、これらで無次元化し流量係数 ϕ = Q D 3 n {\displaystyle \phi ={\frac {Q}{D^{3}n}}} として考える。 圧力p [Pa]は流体密度ρ[kg/m3]と羽根車直径D [m]の2乗と回転数n [s-1]の2乗に比例するので、圧力係数 ψ = p ρ D 2 n 2 {\displaystyle \psi ={\frac {p}{\rho D^{2}n^{2}}}} とする。 動力P [W]は流体密度ρ[kg/m3]と羽根車直径D [m]の5乗と回転数n [s-1]の3乗に比例するので、動力係数 τ = P ρ D 5 n 3 {\displaystyle \tau ={\frac {P}{\rho D^{5}n^{3}}}} とする。 粘度μ[kg/(m s)]はレイノルズ数 R e = ρ D 2 n μ {\displaystyle Re={\frac {\rho D^{2}n}{\mu }}} とする。ただし、レイノルズ数が大きい(流体の粘度が小さい、または回転数が大きい)場合、レイノルズ数の性能への影響は小さいため、このパラメータは無視されることが多い。 音速a [m/s]はマッハ数 M a = D n a {\displaystyle Ma={\frac {Dn}{a}}} とする。ただし、流体の圧縮性が無視できる場合はこのパラメータは無視される。 比速度 n s = n Q H 3 / 4 {\displaystyle n_{\mathrm {s} }=n{\frac {\sqrt {Q}}{H^{3/4}}}} または n s = n P H 5 / 4 {\displaystyle n_{\mathrm {s} }=n{\frac {\sqrt {P}}{H^{5/4}}}} をターボ型流体機械の分類法として用いることがある。
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