漏れインダクタンスの利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 18:54 UTC 版)
「漏れインダクタンス」の記事における「漏れインダクタンスの利用」の解説
漏れインダクタンスを利用する際、実際には漏れインダクタンスLeを直接利用することはなく理論的に登場するのみである。直接的に利用される数値は工業会で実測的に定めた漏れインダクタンス(短絡インダクタンス)Lscの方である。一般に、変圧器の漏れインダクタンスは変圧器の出力電圧を下げる要素として好ましくないとされるが、電流が流れると電圧が下がる性質を積極的に利用して、変圧器に大きな漏れインダクタンスを持たせたものが、主に負性抵抗特性を有する蛍光灯やネオン灯、その他放電灯の電流安定器、アーク溶接の安定器、電子レンジのマグネトロンの安定器などに応用される。磁気漏れ変圧器の用途は多彩である。 また、二次巻線に並列に共振コンデンサを接続し、二次側の短絡インダクタンスと容量成分とを共振させた共振変圧器は、蛍光灯電子安定器(インバータ)、ネオン灯電子安定器、冷陰極管用インバータや、テスラコイルなどに応用される。また、近年研究が進むワイヤレス電力伝送の動作解析においても電気学会定義の漏れインダクタンスLeと短絡インダクタンスLscはともに効率、性能、共振周波数などを決める重要なパラメータとなっている。
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