  良質で豊富な水が確保できるため、昭和初期から、写真フィルムメーカーの工業用水として利用されている。また、水の保全に関する地域住民の意識が高く、ボランティア団体などによって、人々が親しみやすい環境に整備されている。  箱根外輪山が育んだ湧水はフィルム製造に最適な水であり、昭和9年フィルム工場が建設され、フィルム産業の発祥の地となり、本市の産業振興の発展はもとより日本が世界に誇る企業の誕生となった。 この湧水は、単に水環境の保全に寄与するだけでなく、その利用状況においても歴史的な工業用水の活用形態となっている。
| |  1日の湧水量:約1・3万トン  狩野地域に伝わる伝説によると、昔、清左衛門という人が水源をさがしにここまでやってきたところ、乗っていた馬もろとも地中深く落ちこんでしまった。するとそこから勢いよく水が湧き出し、その後、土地の人がそこへ行って「清左衛門」、「清左衛門」と呼ぶといっそう勢いよく水が湧き出し、池ができたということだ。  狩野水利組合は、毎年総会のとき講師を招き水に関する研修会を開催し、南足柄の水、清左衛門地獄池の湧水、市内を流れる河川などの知識を高め、この通水池の保全活動の参考としている。また、湧水池の周辺の井戸の地下水位を定期的に観測し地下水の状況や変化を記録するとともに、地域の水環境の保全に努めている。 |