混成会派
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政治会派というものはその構成員が集まるための中核となる基本原理を持つものとされている。しかしながらこれとは別の考え方があり、政治会派を結成すると活動資金を受け取ることができたり、無所属のままであれば与えられない委員会での委員の職を割り当てられたりすることができる。そしてそのような無所属議員の合計が小規模の会派に所属する議員の合計よりも大きいということもある。1979年、一部の欧州議会議員がこの利点を狙い、通常ならば協力関係を作らないにもかかわらず、中道左派政党から極左政党が集まって「無所属系テクニカルグループ」を結成した。このグループは1984年まで存続した。1999年7月20日、新たな「無所属系テクニカルグループ」が結成される。この会派には極右系から中道左派系の議員が所属しており、会派としての共通の理念は存在しえなかった。議会運営委員会はこのテクニカルグループについて一貫的な政治的態度を有していないと判断し、本会議においても賛成412、反対56(棄権36)で委員会の判断が支持され、1999年9月13日に、欧州議会の歴史上初となる政治会派の強制解散に至った。ところがこの欧州議会の決定に対する不服が第一審裁判所に訴えられ、1999年12月1日にテクニカルグループは法廷での判断が下されるまで暫定的に復活した。2001年10月3日に議長ニコル・フォンテーヌは、第一審裁判所が訴えを退けたため、テクニカルグループに対する解散処分は2001年10月2日付で効力を発したものとすると宣言した。これを受けてテクニカルグループは2001年10月4日を最後に欧州議会の政治会派の一覧から消えることとなった。これ以降、政治会派には一貫した政治態度を有するという要件が定められ、「混成会派」が再び結成されるという可能性がなくなった。
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