治療アプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 16:04 UTC 版)
「シグナル伝達兼転写活性化因子5」の記事における「治療アプローチ」の解説
恒常的にリン酸化されたSTAT5を有するがん細胞に対する治療として、STAT5活性の直接的・間接的な阻害が試みられている。医薬品の研究がより多く行われているのは間接的阻害によるアプローチであるが、このアプローチでは細胞毒性の増大や非特異的効果が生じる可能性があり、直接的阻害によるアプローチがより望ましいと考えられている。 間接的阻害によるアプローチは、STAT5と結合するキナーゼやタンパク質の末端を切断するプロテアーゼを標的としている。さまざまなキナーゼを標的とした阻害剤が設計されている。 イマチニブなどの薬剤はBcr-Ablを阻害する。 レスタウルチニブ(英語版)はFLT3(英語版)を阻害する。 モメロチニブ(英語版)はJAK2(英語版)を阻害する。臨床試験が行われている。 STAT5の直接的阻害には、STAT5のDNAへの適切な結合や適切な二量体化を妨げる低分子阻害剤が利用される。DNA結合の阻害にはRNAi、アンチセンスオリゴヌクレオチド、shRNAが利用される。一方、適切な二量体化の阻害にはSH2ドメインを標的とした低分子が利用される。近年の薬剤開発では特に後者の有効性が示されている。
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