精神分析からのアプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 23:39 UTC 版)
「遊戯療法」の記事における「精神分析からのアプローチ」の解説
ヘルミーネ・フーク=ヘルムート(Hermine Hug-Hellmuth) 遊びが子供の分析にとって重要であること、子供が自分を表現するための遊具を導入することの重要性を主張した最初の人物である。その背景には、子供が大人ほど自分の不安を言語化できないこと、自分の過去や発達の回想に熱心でないこと、多くの場合、子供が自由連想をすることを拒否したことなどが挙げられる。しかし、Specificな治療アプローチを理論化したわけではなかった。 メラニー・クライン(Melanie Klein) プレイ・テクニックを子供の分析手段として6歳以下の子供に用いる。彼女は子供の遊びが大人の自由連想と同様に動機的に決定付けられ、また子供の遊びそれ自体が分析対象となる。子供の遊びは子供の無意識を投影し、表す場として分析される。この考え方は、彼女が支持していた精神分析と、彼女自身が発展させた対象関係論の考えに則っている。子供の遊びを解釈して、不安の根底に潜む無意識を意識化し、子供の心的発達を促進することが遊戯療法である。 アンナ・フロイト(Anna Freud) アンナ・フロイトは遊びを子供と治療者の間の治療同盟の確立を促すものとして用いた。クラインとは見解が異なるのだが、アンナ・フロイトは子供の描画や遊戯の裏に潜む無意識を解釈する前に子供と治療者のラポールを確立することを重要視したのである。アンナ・フロイトは遊びのすべてをシンボリックなものとして扱うのは懐疑的で、自由連想を改良したものを子供に用いた。また彼女は子供の親の影響を排除しておらず、子供の親と治療家が共になって、子供を教育的に引き連れていくことを重視している。そもそも遊戯療法は表立っておらず、飽くまでも遊戯の観察は子供の自我や無意識の分析をし、把握することに焦点が置かれている。
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