江戸名所風俗図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 03:45 UTC 版)
重要文化財(2015年度指定)。紙本金地著色、八曲屏風一双、別名「江戸名所図屏風」。明暦の大火以前の江戸を描いた珍しい屏風絵のうちの1点。代表的な江戸図である「江戸図屏風」(国立歴史民俗博物館蔵)に比べ、江戸の繁栄をより庶民的・卑俗的に描き出している。右隻第二扇目上部の不忍池にペリカンが描かれており、これは日本でペリカンが描かれた最古の作例だと考えられる。注文主については、図中に描かれた唯一の大名屋敷が越前松平家の屋敷とおぼしき事からその関係人物からとする説 と、画中での中心的な主題は左隻第一・二扇目に描かられた向井将監邸であることから向井正俊の願望を描いたとする説 がある。絵師は画風から岩佐又兵衛から影響を受けた町絵師で、「阿国歌舞伎草紙」(大和文華館蔵)、「江戸名所遊楽図屏風」(細見美術館蔵)、「厳島遊楽図屏風」(個人蔵)、「村松物語絵巻」(チェスター・ビーティー・ライブラリーと海の見える杜美術館に分蔵)などの類品が指摘されている。
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